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原口新党の情報がマスコミに出ない - 行き詰まる菅政権の三政策

小沢党員資格停止_1民主党の役員会が小沢一郎の党員資格停止を決めた件について、マスコミ報道の扱いが予想したほど大きくない。ワイドショーは全局がこの問題をネタから外している。TBSの「朝ズバ」が小沢系議員を呼び、得意のリンチ・ショーを披露するかと思ったが、この話題は無視されていた。相撲の八百長問題を前面に出し、政局は控える放送が続いている。新聞の方も意外に注目度が低く、朝日紙面にはヒステリックな「小沢叩き」の論説がない。肩透かしを食らった印象だ。菅政権とマスコミの手法を見ると、だらだらと小沢政局を続け、2月中の予算審議の間はずっと「小沢問題」を主の争点にして流す意図が窺われ、集中攻撃で息の根を止める作戦に出ていない。今日(2/15)は常任理事会にかけ、それから倫理委に回し、最後に常任理事会で最終決定という長期日程で臨んでいて、小沢系議員に挑発を仕掛けつつ勢力を殺ぎ、マスコミ報道で「小沢叩き」を軽く流すという戦術で動いている。相撲の八百長報道が切れたとき、再び「小沢叩き」の音声を上げる魂胆だろうか。朝日の記事(4面)は、小沢系の抵抗で常任幹事会が荒れると書いている。日経の記事(2面)は、小沢系が割れ始め、執行部に恭順する議員が多くなっていて、予算関連法案に影響が出る心配はないと書いている。ただ、2紙とも、原口一博の地域新党の旗揚げについては紙面記事にしていない。

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NHKの北方領土特集 - 国力衰退と無能外交の中で領土を失う日本

NHKの北方領土特集_1昨日(2/13)、北方領土に関する特別番組をNHKが放送していた。その前に、朝のTBSの週末番組でも北方領土が話題になっていた。菅直人の「許し難い暴挙だ」の発言と、モスクワの日露外相会談でラブロフがそれを激しく非難した経緯が紹介され、出演者がコメントを回す場面があったが、田中優子と佐高信の二人が菅直人発言を批判する一幕があった。テレビを見ながら、田中優子と佐高信の左翼的バイアスに辟易とさせられ、その限界性を痛感させられた。領土を奪い取られようとしているときに、ロシア側の戦略にそのまま乗り、ロシア側の論理を全肯定するとはどういうことだろう。私は、別の立場から菅直人の2/7の発言に怒りを覚えていて、あれは単なる政権浮揚狙いの人気取りの言葉でしかない。菅直人が本当にそう思っているのなら、メドベージェフが国後島を訪問した11/1当日に言うべきだったし、11/13の横浜APECでの日露首脳会談の場で直言するべきだった。11/1は国会でこの問題が取り上げられたが、菅直人も前原誠司も全く事態を深刻に受け止めている様子がなく、メドベージェフを批判する厳しい言葉はなかった。外務省がいかにこの問題に鈍感で、注意も払わす対策も打ってないかを思い知らされたものだ。それから12日後に、メドベージェフは悠然と来日し、横浜で出迎えた菅直人は握手の手を差し伸べているのである。普通なら、横浜に呼んではいけないし、シャンシャンの日露首脳会談など絶対に持ってはいけないのだ。

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エジプト革命 (6) - 革命よ、紅海を越え半島へ渡れ、出エジプトせよ

エジプト革命_6_1紅海の海原を二つに割り、海底の回廊を東に横断し、砂漠の半島に上陸して聖地まで進撃せよ。昨深夜(2/11)、ムバラクのカイロ脱出の報があり、エジプト民衆が求めた大統領辞任がようやく果たされた。エジプト革命の一歩が踏み出されたことになる。アラブ紙「アルクッズ・アルアラビ」編集長のアトワンが、2/20の朝日への投稿の中で言っていた言葉を思い出す。「エジプトの民衆の動きは象のようなものだ。体重は重く歩みも遅いが、いったん前に進み始めたら、立ちはだかるものすべてを壊す」。アトワンの言葉のとおりになった。痛快でカタルシスを覚える。本日(2/12)、NHKの朝の番組で出川展恒が登場し、「何十年に一度あるかどうかの歴史的な民衆革命だ」と意義を語っていた。出川展恒の解説は、往年のNHKを思わせるシュアな語り口で、大越健介の愚劣で極端な偏向報道とは雲泥の差がある。NHKの報道記者の説明は、以前は全て出川展恒のように理知的で安定感のあるものだった。膨大な情報が頭の中で処理されながら、解説は抑制を利かせ、公共放送の名に相応しい言葉が慎重に選ばれていた。放送法に則った報道姿勢が心がけられていた。だからこそ、われわれは受信料の支払いに応じられた。NHKはいつから大越健介や三宅民夫のような偏向キャスターが跳梁跋扈する世界になったのだろう。出川展恒がNW9に張り付くのが当然だったのだ。

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小沢一郎と河村たかしの連携について - 政局の論理と政策の論理

小沢一郎と河村たかし_1小沢一郎を支持する者の中で、少なくない部分が河村たかしに期待を寄せ、河村たかしの「庶民革命」を絶賛しているが、それは幻想であり、思い違いをしているだけだ。子供騙しのポピュリズムの手法に搦め取られているだけに等しい。この男の悪質な素性を考えれば、そういう断定と結論にしかならない。まず最初に冷静に考えるべきは、河村たかしと橋下徹の関係である。橋下徹の政策思想を理解していれば、それが「国民の生活が第一」の理念とは相容れない点は明白だろう。説明は不要なはずだ。小沢一郎と河村たかしの連携については、政局的な面と政策的な面の二つの観点からアプローチする必要がある。政局の観点からすれば、小沢一郎の政界生き残りを後押しするフォローの材料として意味があると言えなくもない。しかし、政策的な観点からはきわめて遺憾で憂鬱な問題で、「国民の生活が第一」の後退と溶解を危惧させるバッドニュースである。最初に政局的な観点から述べよう。一昨日(2/8)、河村たかしが小沢一郎を訪問した件について、ネットでは関心が集中して沸騰したが、テレビは大きな注目を向けなかった。例えば、ワイドショーで小沢叩きに狂奔している与良正男と杉尾秀哉にとって、今回の小沢一郎と河村たかしの提携と共闘の絵は、何とも不具合で説明しづらい事態の発生であり、面白くない政治場面の出現に違いない。河村たかしがすぐに小沢一郎に挨拶に出向いた図は、明らかに小沢一郎の復権を意味する政治情報だ。

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河村たかしの衆愚シンドロームの先 - お笑い政界再編と政界崩壊

河村たかしとお笑い政界再編_1エジプトから国内政治に目を転じると、言葉を失って呆然とさせられる現実がある。2/6(日)の夜に名古屋市長選に当選した河村たかしが、頭から水をかぶる痴態を演じていたが、その映像を見ながら、何とも心が凍りつくような気分になった。言葉で表現できない恐ろしさと絶望感を感じる。これが日本の政治なのだ。エジプト人たちが、命を賭けて勇気を振り絞って革命の行動に立ち上がり、反革命側のテロ攻撃と素手で対峙しているときに、日本では腐った衆愚政治の茶番に湧き、吉本興業やたけし軍団の愚劣で粗悪なギャグパフォーマンスに大衆とマスコミが喝采の声を上げている。政治はお笑い芸人がドミナントするテリトリーになり、政治=お笑いが常態になっている。報道の人間も、有権者である一般国民も、ネットの前で呟く者たちも、その倒錯した常態を当然の現実として認め、何の拒絶感も危機感も持っていない。一国の政治の水準はその国の民度の反映であるという言葉があり、大学2年のときの政治学の講義で習った。そのときの教科書が「現代政治の思想と行動」で、丸山真男が誰かの引用でその格言を紹介していたはずだが、本の中のどの部分だったか思い出せない。探しながら本を読んでいるうち、丸山真男の文章の日本語の水準の高さに圧倒され感服させられたが、同時に、当時の日本人と知識人と日本の政治のレベルの高さという問題に思いを馳せざるを得なかった。

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エジプト革命 (5) - マスコミに天下り親米芸者に転身中の山内昌之

エジプト革命_6_1今日(2/7)の朝日の4面に山内昌之の記事がある。マスコミはエジプト問題の解説を古狸の山内昌之に仕切らせていて、「学界の権威」の、時代に迎合した放埒で一徹な親米主義が買われている。せめてテレビは、イラク戦争のときの酒井啓子のような、若くてフラットでシュアな女性研究者のニューフェイスを登場させて欲しいが、人材が払底しているのか、この10年間のマスコミの隷米レジームの固定と強化のためなのか、そういう期待にミートする春めいた報道環境にならない。暗黒の真冬の深海だ。一線を退いて隠居が当然の、論壇のシーラカンスのような山内昌之が、老醜も顧みず図々しくマスコミに出張るのは、何とも興醒めで、この世界史的な大事件を論評する役者として不似合いだ。剥製が口を動かしているようで閉口させられる。 昨日(2/6)のTBSの番組では、よせばいいのに小沢政局に口を出し、小沢一郎もムバラクと同じで往生際が悪いなどと余計なことを言っていた。老害とはこういう姿を指すのだと思わされる。これまで、曲がりなりにも学術官僚(東大・岩波)の世界で築き上げてきた中東研究者としてのブランド・エクイティを、この床屋政談の余興に出しゃばった不覚で、山内昌之は自ら大きく傷つけてしまった。引き際が醜いのは、小沢一郎の方ではなく山内昌之本人ではないのか。空気を読めず、ドタバタと老醜が立ち回っているのは、マスコミへの天下りに懸命な山内昌之の方ではないのか。

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エジプト革命 (4) - エジプトの自尊、ナショナリズムとアイデンティティ

エジプト革命_4_1革命未だ成らず。そう言えば、今年は孫文の辛亥革命から100年の記念年でもあった。昨日(2/4)、エジプトの民衆は「追放の日」と名付けて大規模デモをかけたが、世界中が期待したムバラク退陣は実現できなかった。反政府側が大統領官邸に押し寄せる図はなく、現時点で事態は膠着状態にある。国軍を押さえているはずの米国が、電光石火のムバラク追放に踏み切れない。ムバラクの居直りの前に狼狽し、思惑どおりに政局を運べず右往左往している。オバマの優柔不断も目立つが、米国の力の衰えを実感させられる。米国は、邪魔になった傀儡はすぐに排除した。1989年にはパナマのノリエガを拉致して身柄を米国に移送したし、1963年には南ベトナムのゴ・ジン・ジエムを残酷に殺害している。テリトリーを統治する上で不具合になった独裁者は容赦なく処分した。敵対するアラブの指導者に対しては、暗殺を堂々と宣告して、居宅を空爆したりミサイル攻撃したりしている。1986年のカダフィ暗殺未遂、2003年のフセイン暗殺未遂。2002年のラマラのアラファト議長府へのイスラエル軍による砲撃と突入の容認もある。そうした米国の過去の行動パターンから考えると、今回のムバラクへの対処はあまりに遅々として成果が捗らず、米国の中東干渉のフリーハンドが機能不全になっている現実を思い知る。

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エジプト革命 (3) - ムスリム同胞団を支持する、バイユ-ミを大統領に

エジプト革命_3_1昨日(2/2)、タハリール広場に侵入して市民を襲撃した親ムバラク派のデモ隊なるものは、先週末(1/28)に忽然と姿を消した警官隊が私服姿に変装したものだった。朝日のカイロ支局の記者(石合力)が、本日(2/3)の紙面記事(3面)で現地からそう伝えている。隷米反動の砦となって腐り果てた朝日の中にも、真実を書こうとする記者が少しはいる。共同通信の記者が親ムバラク派に囲まれて暴行を受けた件も影響しているのだろう。記事を引用しよう。「平和的に抗議行動を続けていたデモ隊に2日、ムバラク支持派のデモ隊が送り込まれ、多数の市民が負傷した。広場のまわりを固めていた軍は、支持派の流入を放置した。ムバラク政権による反政府デモ隊への容赦のないリンチである。(略)国際的な批判の高まった治安部隊のかわりに、政権側が私服警官らで官製デモを組織したとすれば、人権上も国際法上も到底許される行為ではない。軍はこれまで、反政府デモ隊に手を出さず、野党勢力との間にも一定の信頼関係があった。(略)今回、現場にいながらこうした行為を防ごうとしなかったことで、国民の軍に対する信頼も大きく揺らぐに違いない。(略)双方の対立が激化し、先鋭化すれば、事実上の『内戦』状態に陥る可能性すらある」。いい記事だ。これがジャーナリズムである。朝日の記事を褒めるのは何十年ぶりだろう。

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エジプト革命 (2) - 米国の座標軸で解説する山内昌之と横田貴之

エジプト革命_2_1丸山真男は、革命とは、単に政治勢力間における権力の移動ではなく、その社会の世界観や価値観のトータルな変革を含み、人々の生活様式や文化様式を根底から変えるものだと言っていた。エジプトで起きている出来事について、それを革命の言葉で呼ぶとき、丸山真男の定義が該当する巨大な世界史的事件の出現を私は期待している。エジプトを変えるだけでなく、アラブと中東を変えるだけでなく、世界全体を変える爆発力を希求する。世界革命としてのエジプト革命であって欲しいと願いながら、タハリール広場の群衆を見つめている。フランス革命やロシア革命や明治維新は世界を大きく変えた。周辺世界の形を変え、世界全体の姿を変え、次の歴史の方向を定めて行った。エジプト革命も、それらに匹敵するスケールとエネルギーを持った潮流になることを望む。そこには三つの意味がある。第一は、米国を中心とした世界秩序を崩壊させ終焉させることである。米国の中東支配の体制を覆し、独立自尊のアラブ世界を築くことだ。第二は、イスラムと民主主義という問題に解決を与えることである。市民に自由と権利を保障したイスラム教の国家を建設することだ。第三は、イスラムと経済発展という課題を突破することである。貧富の格差のない、西欧並みの所得水準のイスラムの理想郷を実現することだ。

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強制起訴と指定弁護士 -「小沢信者」の意味変容とメインストリ-ム化

小沢強制起訴_1昨日(1/31)、小沢一郎を強制起訴した3人の弁護士の記者会見があり、その一部がテレビのニュースで紹介されていた。いわゆる指定弁護士の顔を見て、発言を聞いたのは初めてだが、納得のできない言葉に不信の念を抱かされた。言葉があまりに官僚的すぎる。弁護士の言葉とは思われない。会見を聞いていると、小沢一郎の有罪を確信したから起訴したのではなく、検察審査会で強制起訴が決まっていたから、法令に従って手続きをしたまでだと言っている。であれば、起訴はもっと早くできていたはずで、これほど遅くなった理由がわからない。指定弁護士の一人である大室俊三は、強制起訴について「法曹家としての良心に恥じない」と断言したが、その「法曹家としての良心」の中身が何なのか、根本的な疑問と矛盾を感じさせられる。弁護士法を見ると、その第1条に、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と規定がある。そもそも、弁護士は国家権力から独立した存在で、権力による不当な人権侵害から個人を守るのが職責であるはずだ。この小沢一郎をめぐる政治資金規正法違反の刑事事件で、独立の法曹家たる弁護士が拠って立つべき正義とは何なのか。検察審査会と指定弁護士の制度があるからと言って、これほど簡単に検察官僚の代役を引き受け、有罪の確信もなく簡単に個人を訴追する立場に立てるものか。

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エジプト革命とアラブ世界の未来 - 新しい理念と指導者を待望する

エジプト革命_1エジプトの民衆は、決して日本のマスコミが言うような「親米穏健派」ではなかった。この10年間を振り返っても、イラク戦争レバノン侵攻ガザ侵攻と、中東で米国とイスラエルによる侵略と殺戮が起きるたび、カイロでは大きな反政府デモが起き、市民が警官隊と衝突を繰り返していて、その激しさは中東の中で群を抜いていた。デモは反米反イスラエルの抗議行動だから、中東の各地で同時多発的に発生し、プレスが世界に記事を配信する。それをネットで見ることができる。ロイターやAPの写真を探して見ると、カイロのデモの光景は常に凄絶で、武装した警官隊が棍棒を振り上げてデモ隊に襲いかかる場面が必ず撮られていて、ショール姿の美しいムスリムの女子学生が収まったベイルートやアンマンのデモの絵とは様相が全く違っていた。エジプトのデモの絵は流血の衝突が定番で、市民は常に怒りの叫び声を上げ、黒いヘルメットに棍棒の警官隊とぶつかっていた。路上に張られた有刺鉄線が生々しかった。パキスタンのデモは stars and stripes burning が定番だったが、エジプトのデモは protesters injured が常だった。アルジャジーラのネットのニュース映像で"ANGER"がキーワードになって報道されているが、この10年間のエジプトの反政府デモを思い起こすと、まさにその言葉こそ象徴的だと私には思われる。

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土居丈朗の国債暴落脅迫 - 格付け会社、ヘッジファンド、財務省の連携

土居丈朗の国債暴落脅迫_1菅直人の訪米日程が、当初予定されていた3月から6月に変わった。そのことがマスコミを通じて正式発表されている。実は、新年冒頭の菅直人の演説だったと思うが、訪米について「3月」と言わず、「今年前半」という表現を使っていて、少し引っかかり、記事で取り上げようかと迷ったことがあった。それまで、昨年末まで、ずっと訪米の予定は3月で、そこで日米安保の再定義が打ち出され、条約の全面改定が合意されるだろうとする報道が続いていた。日米安保条約の条文改定は、1960年以来51年ぶりのこととなる。極東条項が撤廃され、適用範囲が全地球大に無限拡大されると共に、中国を仮想敵とする米日韓豪のマルチな軍事同盟に変質させる意図の改定だろうと目されていた。マスコミの説明では、米国側から3月の日程を5月に遅らせる打診があり、それを日本側がさらに6月に延期したとある。どういう舞台裏だったのだろう。この間、つまり年末から年始にかけて、米国は胡錦濤訪米でずっと中国との熾烈な折衝に没頭していた。そこでの外交過程で、東アジアの安保についての取引が図られ、4カ国軍事同盟の構想が練り直しになった可能性がある。もう一つは、米国が菅直人の余命を見限って、訪米させる相手は新顔にすると決定を下した可能性がある。米国は、日本の首相は1年で取り替えるというコードを厳守するのだろう。いずれにせよ、歴史的な日米安保改定は菅直人の業績ではなくなった。

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オバマの一般教書演説の論理矛盾 - 「小さな政府」への政策妥協

オバマの一般教書演説_1オバマの一般教書演説は1時間に及ぶ長いものだった。久しぶりに中継を最初から最後まで見たが、オバマらしい華麗で雄渾な弁論術が冴え、2年前の興奮を思い起こさせる中身だった。中盤からはやや退屈になったが、前半と終盤は聴衆を引きつけるオバマ節の世界で、米国人に米国の理念を訴えて迫り、ぐいぐいと感動を盛り上げていく。テーマは米国の競争力と教育で、オバマらしい哲学と表現が満載された演説だった。目線が一般市民のところにあり、米国の普通の市民感覚に内在している。演説の中で具体的に米国の市民を取り上げ、努力し挑戦する姿を全国民に紹介していた。米国の理念が、厳しい環境の中でも、名も無い市民の日常で生きていることを証明し説得する。素晴らしい。官僚が書く日本の首相の施政方針演説とは雲泥の差。中国とインドの技術と教育に注目し、数学と科学の教育の重要性を訴え、優秀な教師を集めなければならないと言い、テレビを見ている若者は教師になることを志望してくれと呼びかけていた。この言葉は、日本の指導者に日本の国民に向かって言って欲しいものだ。もし米国のテレビが、ニコ動のように画面にツイートを流せたなら、「日本が駄目になったのは、ゆとり教育をやったからだよ」と書きこんでやりたかった。しかしながら、演説は素晴らしかったが、共和党の「小さな政府」に妥協した政策の中身については首を捻る。例えば、5年間の財政支出の凍結など、公約して実行できるとは到底思えない。

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菅政権による負担増とセーフティネット破壊 - 消費税だけではない

負担増_1a昨日(1/24)、通常国会が召集され、初日から菅直人の施政方針演説が行われた。国会開会に先立って、民主党は午前中に両院議員総会を開き、そこでまた内紛の騒動が起きていたようだが、夜の各局のニュース番組では一切紹介されなかった。本日(1/25)の朝日の紙面でも記事になっていない。テレビと新聞は、演説の中の「国民の皆様に、ある程度の負担をお願いすることは避けられないと考えます」の部分を切り出し、特に強調する報道に徹している。NHKの7時のニュースでは、わざわざ、この増税要請に賛同する「街の声」を拾って放送していた。また、菅直人が演説の中で自公両党に対して協議を呼びかけた点に着目し、協議に応じて責任野党たれと注文をつけている。各紙の社説もそればかりだ。「増税の前に無駄の削減」と言っていた嘗てのマスコミの常套句は全く出ない。菅直人は同じ演説を何度も何度も繰り返している。中身のない、単に消費税とTPPと小沢斬りの宣伝扇動を果てもなく繰り返し、マスコミの拡声器でガーガー流し続けている。国民の脳を漬け込んでいる。その政権に対して、批判はおろか皮肉の一つも言う報道がない。ファシズムの国のようだ。1年前の景色はこうではなかった。平田オリザが書いた鳩山由紀夫の施政方針演説は素晴らしかった。ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用して施政方針の基調に据えた構成は見事で、後世に語り継がれる格調高い中身を持ち、政権交代を実感させる光彩を放っていた。

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米中首脳会談考 - 人民元のSDR構成通貨を米国に認めさせた中国

米中首脳会談_1世界中が注目した米中首脳会談について、一般の報道とは少し異なる感想を持つ。目立ったのは、オバマと米国の小児病的な態度と言うか、胡錦濤と中国に対して妙に尊大で傲慢だったり、あるいは卑屈だったりの態度に終始していた点だ。目上である胡錦濤の前で、生意気に足を組んだり、さも自分の方が地位が上であるかのように見下げる視線を送ったり、オバマの人格の未熟さが透けて見える映像が多かった。この男は、一昨年の両陛下との謁見の場でも粗相を演じて恥を曝したが、アジアの国の元首の前でどう対応すればよいのか、何が自然で知的な振る舞いなのかを理解していない。アジア世界に対する心得と配慮がない。超大国の元首としての気品と威厳に欠け、世界の指導者としての矜持と自制がなさすぎる。クリントンも若かったが、決してこのように浮薄な若僧の所作はしなかった。中国人の前で緊張感と戦略性があった。ブッシュの父親も常識人で、日本人に悪い印象を与えなかった。特にレーガンと中曽根康弘との関係などは、ある意味で見本の表現の図を示していて、見る者に納得と安定感を与えていた。アフリカンの米国人だから、米国至上主義が嵩じて、こういう不具合と限界性が表出してしまうのだろうか。今回の米中会談のニュース映像を見て、オバマに対して尊敬や信頼の感覚を抱いたアジアの人間は少ないだろう。印象づけられるのは、オバマの軽薄に対する胡錦濤の重厚のコントラストである。どちらが超大国の指導者かわからない。

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日比谷公園の「ダ・ヴィンチ展」 - 実物大の「最後の晩餐」を仰ぎ見る

日比谷ダ・ヴィンチ展_1日比谷公園で「特別展 ダ・ヴィンチ - モナリザ25の秘密」が開催されている。大噴水の南側にある第二花壇に「ダ・ヴィンチ・ミュージアム」のパビリオンが特設され、広い平面の館内を使ってダ・ヴィンチの芸術と科学技術を網羅的かつ立体的に紹介している。まさにダ・ヴィンチの博物館の出現で、人がダ・ヴィンチの天才を知る上で最高の機会が提供された空間だ。万能の天才ダ・ヴィンチについて、われわれが断片的に知っているものが、ここに一堂に集められ詳しくプレゼンテーションされていて、館内を歩み進むほどに、この人物の底知れぬ天才に圧倒され、凡人の想像の及ばぬ奇跡の頭脳に絶句することになる。まさに近代欧米文明はこの人物に拠っていて、ダ・ヴィンチの万能と英知への畏敬と崇拝が、そのまま欧米近代の普遍性や優越性を認める意識と繋がるところとなっている。館内を歩きながら、そして寒い外に出て、しばし鬱々と考えるのだ。アジアにはこれに匹敵する人物はいたのだろうかと。嘆息しつつ思いが及ぶのは、例の銭ゲバが人からふんだくったカネでダ・ヴィンチの手稿をコレクションした一件で、新自由主義とダ・ヴィンチという思想的問題である。新自由主義という問題が身近に纏わりつくと、ダ・ヴィンチとわれわれとは素直に幸福な関係にならず、どうも途中で屈折する心理で萎えてしまう。そして私の場合、脱構築主義への批判という問題もあるため、ダ・ヴィンチは余計に解釈に手こずる厄介で重たい存在なのだ。

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中野剛志の爽快な反TPPの一撃 - 議連は、国民戦線はできないか

中野剛志のTPP反対論_1朝日新聞の1/18の紙面にTPPについての特集(15面)があり、中野剛志の反対論がインタビュー形式で載っている。この内容が実に素晴らしい。私がブログで言っていることと、ほとんど一言一句同じ主張が並んでいて驚かされた。マスコミに載った研究者の議論を読んで、ここまで我が意を得たりと膝を打つのは何年ぶりのことだろう。中野剛志のTPP反対論はネット上にもあるが、この朝日紙面にコンパクトに整理された発言録が、最も切れ味が鋭く説得力がある。まさに、待望した本格的な代弁者が救世主の如く颯爽と登場した感があり、読みながら興奮させられる。引用しよう。「TPPへの参加など論外です。今でも日本の平均関税率は欧米よりも韓国よりも低い。日本はすでに十分、開国しています。そもそも『海外に打って出れば、日本製品の競争力が高まる』というのは、考え方が古い。『安ければいい』という途上国市場でいくら製品を売っても、開発力はつきません。日本製品に競争力があったのは、消費者の要求水準が極めて高い国内市場で鍛えられてきたからです。(略)うるさい消費者を相手にしてきたから、日本企業は強くなった。ところがデフレが進み、安さばかりが求められるようになって、国内の『目利き』の消費者が減ってしまった。企業は研究開発を怠るようになり、ipadのような魅力的な商品を作れなくなった」。そのとおりだ。正しい指摘だ。そして最も重要で本質的な点だ。よく言ってくれた。引用を続ける。

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消費税増税工作の二つの奸計 - 「付則」の欺瞞と財源グラフの詐術

消費税の嘘と詐術_1予算の無駄を削減する問題は、議論が片づいて終幕した国政上の課題ではなく、必ず次の選挙で争点として浮上する。菅政権と官僚は、マニフェストで公約した16.8兆円の無駄削減と財源捻出について、マスコミを通じて「最初から無理」だと言いくるめ、国民に消費税増税を観念させようとしているが、選挙の季節になれば、間違いなく「無駄を削るのが先」という主張が出て来て勢いを持つ。具体的に予想すれば、みんなの党が増税ではなく歳出削減を公約(アジェンダ)に据え、削減費目をリストアップして訴え、「小さな政府」の正当性を唱えて支持を受けるだろう。みんなの党は、昨年の参院選で10議席を獲得し、比例の得票数は公明党を上回る勢力になっている。次の総選挙で民主・自民の二大政党のいずれもが過半数に達せず、みんなの党が50議席を超える躍進で第三党になり、みんなの党が連立政権に入る場合、連立政権の政策はみんなの党の公約の丸呑みになると想定される。無論、そのときは、みんなの党は参院で多数を占める自民党との連立を志向する。衆参で多数派にならないと政権が安定しないからだ。民主党への国民の幻滅が、必ずしも自民党への支持回復に結びつかない現状を見ると、上のような選挙の情勢と結果に至る可能性は小さくない。その場合、みんなの党が選挙後の政策の主導権を握り、消費税増税を棚上げにするだろう。子ども手当は廃止され、地方交付金も削減される事態になるが。

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小沢一郎の媒体戦略 - 「国民の生活が第一」のバッジを胸につけよ

小沢一郎の媒体戦略_1週末(1/16)のフジの政治番組に小沢一郎が生出演したところ、高視聴率の結果が出て巷で話題になっている。ちょうど1か月前だが、12/17に「小沢一郎はテレビに出演せよ」の記事を上げて提起した立場としては、狙いどおりの戦略の成功に面目躍如の気分である。私はその中で、テレビ局の動機と論理は何より視聴率ハングリーにあること、視聴率を稼ぎたい番組は小沢一郎をコンテンツとして欲していること、そこを上手く衝けば、「公開リンチ」に陥ることなく十全に主張を訴え、メッセージを効果的に発信できることを指摘した。フジの番組の視聴率の話題は、現時点でマスコミ報道では触れられておらず、スポーツ紙や夕刊紙にも取り上げられていない。伏せられていて、未確認の情報の状態になっている。公然化させて事実を確認すると、その意味と正面から向き合わなくてはならないから、政治的思惑でそれを忌避しているのだ。国民が小沢一郎に強い関心を持っていること、その関心の中身は少なからず指導者としての待望論を含んでいること、その事実を報道関係者は認めなければならなくなる。そのことは、これまでの小沢叩きの報道の誤謬を自ら認めることに繋がる。このフジ出演の視聴率の情報は、菅直人の報ステ出演の失敗と相俟って、政界とマスコミに小さくない衝撃を走らせているだろう。いずれにせよ、小沢一郎を招聘すれば視聴率が取れる。話題になる。商売になる。二匹目のドジョウを狙う局が必ず出る。

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「税と社会保障の一体改革」の言説 - 与謝野馨の自己責任路線へ

改造内閣_1改造内閣について、週末にマスコミ各社から支持率が出た。早いところでは1/15(土)に数字の発表があったが、テレビで組閣の情報が伝えられたのは1/14(金)の夕刻である。数字について感想を持つ前に、こんなに早く世論調査の結果が出るものだろうかと疑念を抱く。以前は、マスコミは週末に2日間かけて調査をして、週初に結果を発表していたものだった。テレビが月曜夜に、新聞が火曜朝にというタイミングだった。どれほど調査と処理を技術で迅速化したと言っても、電話を使って人が人に質問して回答を収集する作業の積み上げである。過去の世論調査を知る者としては、不自然な感覚を否めない。共同通信は、1/15の16:32のタイムスタンプで記事を発信している。地方紙の読者が調査サンプルの台帳になっている共同は、普通に考えれば最も作業に時間がかかりそうだが、組閣名簿の発表から報道まで24時間経っていない。どういう調査と集計をしているのだろう。各紙の結果を見ると、読売が34%、毎日が29%、朝日が26%で、改造直後の数字としては異常に低い。私は、マスコミが消費税とTPPへの菅直人の意欲を評価して、世論操作の目的で、最低でも30%台後半の数字を呉れてやるものと予想していた。改造は政権浮揚のためにするものだが、結果は明らかに失敗を示している。特に与謝野馨の入閣について国民は支持していない。今後の「小沢斬り」の政局にもよるが、国会が始まると同時に菅内閣は死に体に向かうだろう。

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執行部と小沢派の「政策軸の対立」を公然化させ始めたマスコミ報道

与謝野入閣と政策軸の対立_1与謝野馨を経済財政相に起用した改造内閣は、果たしてどれほどの支持率で出るだろう。マスコミは、消費税増税とTPP加盟にギアを入れた菅直人の人事を評価し、この組閣にエールを送る翼賛報道で埋めている。上の二つの政策遂行は、昨年よりマスコミが政権に強力に迫り、正月は「五紙共同社説」で口を揃えて発破をかけたものでもあり、マスコミの要求に人事で応えた菅直人を持ち上げる讃辞をテレビ報道で連発させている。マスコミと政権からすれば、ここで支持率を上昇させ、消費税増税とTPP加盟へと世論の流れを固めたい思惑だろう。しかし、与謝野馨は「民主党政権打倒」を叫んで自民党を出た矯徒であり、その前は麻生内閣の経済政策の司令塔だった奸物である。今回の離党と入閣は、身内だった右翼方面からも強い顰蹙と失望を買っている。その男が政権交代した民主党の重要閣僚に収まる人事は、迎える菅直人も、入る与謝野馨も、あまりに無節操かつ非常識で、国民には神経を逆撫でする不愉快なハプニングと受け止められるはずだ。小泉純一郎的なサプライズとは縁遠い。国民の中には菅直人に対する根深い不信感がある。国民との信頼関係が切れており、マスコミがどれほど提灯報道で風を吹かせても、それに応じて総勢が靡くとは考えられない。支持率が一瞬上がる場面が生じても、国会が始まれば即座に下落するに違いなく、マスコミと官僚の目論見どおりに政局が運ぶことはないだろう。

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マニフェスト見直しを正当化する朝日新聞の欺瞞 - 埋蔵金のトリック

両院議員総会_1今日(1/13)の朝日の1面の見出しは、「民主公約見直し表明」「財源捻出遠い16.8兆円」、3面の見出しが「真の与党へ民主転換」とある。昨日(1/12)の両院議員総会で、岡田克也が09年マニフェストの見直しを表明したことを評価し、その「財源不足」の中身を図表に整理して説明してやっている。朝日によれば、民主党が選挙で掲げていた政策公約を捨て、自民党と同じ政策に転換することが、野党から与党に脱皮する成長の証なのだと言う。であれば、政権交代は一体何のためで、選挙は何のためにするのか。選挙をやってもやらなくても、どの党が政権を取っても政策が同じなら、そもそも政党など必要なく、わざわざ選挙などする必要もないではないか。要するに、官僚主導の政策にそのまま従うことが、与党の資格と条件だと朝日新聞は言うのであり、政策を作成して遂行する権限は官僚だけが持っていて、それに追従するのが与党の役割だと言っているのである。政党はお飾りで、選挙も、選挙による政権交代も、政策には意味のない政治ショーだと言っている。朝日などマスコミや民主党執行部が言う「財源捻出限界」の主張には根拠がない。それは嘘だ。朝日の1面の図表の中に詐術がある。その詐術の要点を喝破すれば、埋蔵金は恒久財源にはならないとする言説のトリックだ。09年マニフェストは、4年間の政策過程の財源について提示しているのであり、10年も20年も先を担保する恒久財源を言っているのではない。

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他力 - 急性心不全、ゾーエーと四つのカースト、ツーソンのテロ事件

他力2011_1遅ればせながら、新年の所感と展望について。今年も、昨年半ばに得た心境と姿勢を引き継いで、「他力」をキーワードにして活動を続けようと考えている。他力本願。他力による救済。その信仰の要点を言えば、米国経済が崩壊して、新自由主義が没落することであり、日本人がそのイデオロギーから自由になることである。その福音の到来を待つということである。その条件が与えられなければ、日本人は新自由主義の体制から脱却することができない。自分自身の力で自己の生き方を変えることができない。逆に言えば、日本人は外の世界の動向に常に敏感で、潮流に即座に反応して内側の体制を変える。2年半前、リーマン・ショックから世界金融危機が始まり、テレビ報道がサブプライム・ローンの仕組みを解説していた2008年の秋、今からは考えられない映像だが、報ステの古館伊知郎が新自由主義を批判する言葉を絶叫していた。「小さな政府」、規制緩和、自己責任、これらを論って威勢よく悪罵しまくる古舘伊知郎の姿があった。私と同じ動機かどうかは不明だが、金子勝や田中宇も米国経済の動きばかりに目を凝らしている。米国経済の崩壊は、今年すぐに起こるとは思わない。しかし、そこに二重写しで被さるのは、1991年からの日本経済の体験である。不況は長く長く続いた。闘病生活が続き、そして快復への希望は徐々に失われ、体力を失い、老衰し、結局は死に至る病となった。

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三つの経済記事から - 見失われている格差構造と内需拡大の視点

新年の経済記事_1正月のマスコミ報道の中から、今年の経済動向を分析した情報を探したが、特に核心を衝いていると評価できるものがない。エコノミクスの説得力を感じるものがなく、知的刺激を受ける洞察や予測がない。新聞の特集記事は、ほとんどがTPP加盟と消費税増税の正当化に繋げる安直な提言の類ばかりで、経済分析ではなくて政治主張が並べられている。食糧エネルギー危機についての認識も甘いし、金融や産業のトレンドについても掘り下げた考察がない。マクロ経済について、膝を打つ解説と展望が語られていない。日本社会の「縮み」が言われているが、経済について語る者、そして話を聞く者の問題意識がどうにも萎縮し貧弱になっていて、報道や論壇の経済論議のパースペクティブに広がりと鋭さが欠落しているのである。おそらく、韓国のマスコミやアカデミーの方が、要領を得た経済予測の知見を提供しているはずで、国民と企業と政府に、この一年に対処し挑戦する上での注意や要点をよく諭していることだろう。日本は、本当に論壇と報道のスキルとレベルが低下した。カスカスの骨粗鬆症状態になった。経済と政策についての言説は、「勝ち組」が支配し、「勝ち組」が儲け続ける前提のために全てが定義され、結論が決まっていて、「健全な中間層」を基準とする客観的で合理的な論説が失われている。つまり、経済を語る言葉から多くの国民が疎外されていて、意味のない言語が氾濫する世界になっている。

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ベストセラー・ランキングの面妖 - 出版もネットと同じジャンクの海原

ベストセラー_1金融緩和で余剰になったマネーが金融市場に流入し、株価だけでなく原油や農産物の価格を押し上げている。輸入する原材料や穀物の高騰と食料品への価格転嫁がテレビのニュースで囁かれ始め、状況は3年前の世界食糧危機の前夜に似た様相を呈している。フィリピンやハイチなど、当時塗炭の苦しみを味わった食糧輸入弱者の国の人々は、さぞかし不安な新年を迎えていることだろう。また、この情勢の進行はTPPの問題に影響を与えるはずだ。3年前、小沢民主党の掲げる小規模農家重視の戸別補償政策が支持を受けたのは、食料自給率の向上に国民の関心が強く向いたからだった。デフレ対策や国債金利の問題も気になる。そこで、国際経済の最新動向のアウトラインを掴もうと思い立って、近くの書店で本を物色したが、購入して読んでみようと思える一冊がなかった。例年、年末になると、新年の経済動向を展望する新刊書がエコノミストやシンクタンクから出版され、それは季節の風物詩のような景色であり、サラリーマンたちが正月休みに読んで仕事上の糧秣にしていたものだ。その市場環境の基本は今も続いているけれど、中身が大きく変わってしまっている。「風物詩」の内実は様変わりしている。周辺的なところで一例を挙げると、「イミダス」とか「知恵蔵」の出版が消えている。これらは年末の「風物詩」の中の重要な役者だった。

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山陰の大雪 - 黙殺して報道しないNHK、関心を向けない政治と行政

山陰大雪_1山陰地方の大雪災害について。昨夜(1/4)、年明け最初の放送になる報ステでは、冒頭から20分ほど集中的にこの問題を報道、現地に中継のカメラを入れて被害状況を詳しく伝えていた。孤立した集落、停電した家屋、蝋燭の灯りで懸命に仕事をする介護職員、高血圧の高齢者の医薬品がなくなっている不安、そして、雪で転覆したままの漁船。これらが生々しい現地の映像と住民の声で直接に伝えられた。ネットのニュースで気になっていた山陰の大雪について、初めてテレビで本格的な災害の実状に接することができた感がある。古舘伊知郎の個人的な趣向で、報ステは特に気象変動に関するニュースに重点が置かれ、平素はそれが非常識な番組の構成や編集になる場合も多いが、今回はグッドジョブの報道だったと評価できる。不思議なのは、NHKの報道がこの災害について全く触れないことである。偏向キャスターの大越健介が仕切るNW9も、昨夜(1/4)が年初の放送だったが、特集は経済情勢の見通しと大河ドラマの宣伝の二つで、60分間の放送中、山陰の大雪災害は一度も取り上げられなかった。7時のニュースでも一瞥もされなかった。一昨夜(1/3)の7時のニュースでも、特急やくもが新幹線に接続する岡山駅のホームの映像が出て、鉄道や道路の復旧状況がわずかに語られたが、現地の被害が報道された気配がない。NHKが地方の災害を無視している。

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左派の消費税論議の憂鬱 - 新自由主義路線に転向した宮本太郎

左派の消費税論議_4一茶には意外な一面があった。庶民派で弱者の立場から俳句を詠んだとされる一茶は、実は驚嘆すべき絶倫の身体の持ち主だった。俳句集作品でもある句日記には、若い妻との凄まじい性生活の記録が克明に残されている。例えば、結婚2年目の文化13年(1816年)、54歳のときの8月の日記には、「十二 晴 夜三交、十五 晴 夫婦月見 三交、十六 晴 三交、十七 晴 墓詣 夜三交、十八 晴 夜三交」などとあり、連日連夜の激しい夫婦生活の事実を回数で記している。さらに恐るべきは晩年で、文政3年(1820年)、58歳の一茶は脳卒中で倒れて半身不随と言語障害の身となるが、その病身で同じような過激な性生活を続け、若い妻を次々と妊娠させている。そして、日々の行為を日記に書き残している。文政10年(1827年)、一茶は65歳で死ぬが、その一年前の火事で家を焼失し、焼け残った土蔵の中で3人目の若い妻と暮らしていた。土蔵の中の生活で妻はまた妊娠、遺児は一茶の死後に生まれ、この女児だけが無事に育って一茶の血脈を繋いだ。脳卒中で半身不随となった老人の身でも、夜に行為に及び、朝に俳句を推敲し、回数と句作を記帳する。詩人のデモーニッシュなエネルギー。世俗の凡人には知り得ない神秘で魔境の精神世界。重要なのは、一茶がそれを日記に書き残したことだ。それは天才芸術家にとって魂魄の表現そのものだったから、一茶は行為の回数と成した俳句を日記に残したのである。

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めでたさも 中くらいなり おらが春 - 新春に金子勝の言説を批判する

おらが春_1めでたさも 中くらいなり おらが春。小林一茶が雪深い信濃でそう詠んだのは、文政2年(1819年)、57歳のときの正月だった。51歳で帰郷、長く続いた継母との遺産相続係争にようやく決着をつけ、親子ほど年の差のある若い妻を娶り、信濃で人脈を築いて人生の安住を得つつあった一茶だったが、最初の妻との間に生まれた三男一女が次々と夭逝、その妻にも病気で先立たれ、家族にまつわる不幸は人生の最後まで続いていた。3歳で生母と死別、一茶の不遇はここから始まる。8歳のときに家に入った継母と合わず、15歳で江戸に奉公に出される。俳人となり、諸国を旅し、39歳で故郷に戻るが、帰郷してわずか一か月後に実父が倒れ、看病のかいなく逝ってしまう。作句以上に一茶のライフワークとなった熾烈な遺産相続問題はそこから始まった。後年、芭蕉と蕪村と並び江戸の三大俳人と称された一茶は、当時、すでに俳壇での声望を恣にした名士だったと思われるが、彼の俳句からも、また晩年を語る情報からも、そうした栄光や成功の気配は感じられず、苦難に苛まれ続けた老半生の印象が強い。やはり、家族の絆のあり方が、その人の幸福と不幸を大きく分ける。芭蕉や蕪村と違って、一茶の場合は作品の前に人生と生活があり、不本意と偏屈と反骨の姿がある。今年の正月を迎えて、ふと思い浮かんだのは、中学校の教室で学んだこの句と一茶の晩年の胸中だった。

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中江兆民の『三酔人経綸問答』 - 憲法9条の思想的源流を確認する

三酔人経綸問答_1今年、自分自身の体験の中で最も印象深く意義深かったのは、8月6日の広島の平和記念式典に初めて参加したことである。聖地巡礼を果たせてよかった。そして、記事で詳細を報告したとおり、その場所には想像していたよりもずっと大きな発見と感動があった。筑紫哲也がそこへわれわれを誘っていた理由がよくわかった。読者の皆様には、ぜひ一度足を運ばれることをお薦めしたい。年をとりながら、私は次第に9条に原理的に即くラディカルな平和主義者になりつつある。と言うより、周囲に戦争主義者の密度が高まっているため、相対的に私がその立場で際立ってしまうのだろうとも思う。「戦争だけはしてはいけない」と若い者に口癖を言う老人になった。最近、平和と反戦をテーマにした記事が多くなり、右翼方面から揶揄や嫌がらせのコメントが入ることが多くなった。当然、日本は9条の非武装原理で安保と外交の政策を舵取るべきだし、それが最もよく国益を守る道である。今回の記事では、古典である中江兆民の『三酔人経綸問答』を紹介し、その中に平和憲法の思想が実在する点を指摘したい。この事実は、おそらく専門の知識世界では常識の範疇だと思われるが、なぜか一般の人々に教説される機会が少なく、世間一般の常識に到っていない。『三酔人経綸問答』こそ、右翼の言う「平和憲法押しつけ論」を一撃で否定し反駁する思想史的物証そのものだ。何と言っても、この書の出版は明治20年(1887年)なのである。

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