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小沢一郎の時代の終わり - 鳩山由紀夫への禅譲と民主党の落魄

小沢_1_1ようやく小沢一郎が辞任を発表。政治は長い時間を無駄に浪費して、新しい局面を迎えることになった。私は、3月下旬の大久保秘書起訴前の時点で辞任は不可避と予想してブログに記事を上げ、菅直人も続投は無理だから早く身を引いた方がいいと小沢一郎に諭したが、頑迷で権力への執着心が強い小沢一郎は決断ができず、周囲の忠告に素直に従えず、無意味に代表の座に居座って組織を混乱させ、党の支持者や関係者に迷惑をかけ続けた。最終的に辞任表明に至ったのは、党内で小沢降ろしの動きが広がり、このまま選挙前まで引っ張ることが不可能だと判断できたからである。先月下旬には地方行脚まで再開し、政権交代するまでは辞めないと強気を言い張っていたが、その言葉をあっさり裏切って、結局は辞任に追い詰められた。3月の時点ですぐに決断して辞めていれば、二階俊博の閣僚辞任に持ち込むことができ、政治とカネの問題の政局で民主党がアドバンテージを握ったまま、それを争点にした総選挙に縺れ込ませる戦術も可能だった。辞任を無用に遅らせたために、党に与えた損害は測り知れないほど大きく、西松事件は民主党の票を減らすだけの顛末になっている。  

小沢_1_2飯尾潤を座長に据えた第三者委員会が、鳩山由紀夫や小沢一郎の目論見どおりのシャンシャン会議にならず、カーティスの小沢批判が飛び出したり、小沢一郎が事情聴取で窮地に立たされる危機も想定され、とても会議を続けられない状態になったことも大きい。お手盛り報告書へと簡単に着地せず、中で議論が荒れる可能性は最初から予想されていた。今回の小沢辞任の政治は、党内の小沢降ろしと第三者委員会の混乱を見越した上での鳩山由紀夫の窮余の一策であり、この機を利用した鳩山由紀夫の権力奪取のカウンターポリティックスである。昨夜(5/11)のニュースを見た者が不審に感じなければならないのは、次の新代表の下馬評の一番手に鳩山由紀夫の名前が挙がったことだ。NHKのニュースでもそうだったが、テレ朝の報道ステーションでは、スタジオに顔を出した田崎史郎と星浩の二人が、口を揃えて「鳩山由紀夫で決まり」の結論を語っていた。鳩山由紀夫が新代表の候補に上がったのは、西松事件発生後の政局では初めてであり、岡田克也や前原誠司の名前が言われていた4月当時の状況から考えれば、意外きわまりない現実である。鳩山由紀夫は、3月から4月の局面では、絶対に新代表候補にはならないと公言していた。

小沢_1_3この奇妙な事実を見逃さず、謎として正面から捉える必要がある。間違いなく、鳩山由紀夫サイドから予めマスコミに情報が流されていて、鳩山新代表で決まりの観測報道を流すように仕組まれている。裏で経団連が動いている可能性がある。星浩と田崎史郎が、新代表選出の日程を今週中と言い、1週間で早く決まると見通しを言ったのは、「鳩山由紀夫新代表」を固めて既成事実化するためだ。つまり、昨日の小沢一郎の代表辞任の政治については、菅直人には何も事前に情報が入っておらず、外されていた可能性が高い。小沢一郎と鳩山由紀夫が、菅直人を外して二人で仕組んだ謀略ではないか。昨日の小沢一郎の表情が爽快で無憂だったのは、裏に鳩山由紀夫との密計があるからで、すなわち、この辞任は事実上の禅譲であり、鳩山新代表の下での小沢一郎のポジション(闇将軍)が内定されている。さらに推測を伸ばせば、選挙後に起こる政界再編を睨んで、二人の間で展望と路線を一致させたという意味だろう。左派の菅直人を追い出すか、あるいは、二人で自民党の一部を誘って新党を立ち上げる。政界再編を生き残るにはカネが要る。小沢一郎が土建屋から政治団体に寄付を吸い入れる金脈を失った以上、今後のカネは鳩山家の家財に頼らざるを得ない。

小沢_1_4鳩山由紀夫と小沢一郎のギブアンドテイクの契約が成立し、小沢一郎から鳩山由紀夫への禅譲が実現した。今回、菅直人の左派は鳩山由紀夫代表を受け入れる姿勢でいる。実際には権力闘争の敗北であり、鳩山由紀夫に寝首を掻かれたという帰結以外の何ものでもない。何故なら、菅直人が小沢一郎に辞任(禅譲)を迫ったときは、鳩山由紀夫は猛反対して辞任提案を遮り、代表続投で党内の流れを固めたのであり、自分は次の代表には絶対にならないと断言していたのである。全て菅直人の代表就任を妨害するためだった。菅直人への禅譲を阻止しながら、第三者委の小技で延々と時間を稼ぎ、巧妙に小沢一郎を口説き落として、ちゃっかり自分が代表の座を手に入れた、否、手に入れつつある。仮に鳩山由紀夫が新代表になった場合、いま問題になっている世襲議員の代表格のような政治家が政権交代を狙い、選挙で総理の座を争うことになるが、世襲問題をめぐる民主党の対応や国民の民主党への期待はどうなるのだろうか。鳩山由紀夫の新代表就任は、民主党の掲げる「政権交代」のモメンタムを衰退させ、国民の民主党への期待の温度を下げる方向に作用するだろう。鳩山由紀夫が代表だった時期の民主党が最も体質が虚弱で、鳩山由紀夫が選挙を陣頭指揮して勝てるはずがないと誰もが思う。

小沢_1_5鳩山由紀夫の言う「政権交代」よりも、小沢一郎の言う「政権交代」の方が、本当らしく真に迫って聞こえる。それほど鳩山由紀夫の「政権交代」の言葉は軽く、うそ臭く、有権者を本気にさせる熱意が根本的に欠如している。また、昨夜の報道ステーションでも田崎史郎が指摘したが、2か月間も延々と進退問題を引っ張り、西松事件の説明責任を果たすよう求めた国民世論に耳を傾けず、国民の政治期待を腐らせ、国民を政治不信へと導いた禍根は大きく残り、民主党の支持率や選挙区の情勢に影響を与えるに違いない。西松問題を曖昧にしたまま、世襲の総本家のような鳩山由紀夫が新代表に就いたとき、政策に差がなければ、民主党の印象は自民党のそれと大差なくなる。逆に、政策に大きな差ができると、今度は嘗ての「政権交代をめざすと言う万年野党」の表象が復活する。マスコミの自民党系の評論家は、政策が接近すれば「自民党と同じだ」と貶し、政策が隔絶すれば「無責任な万年野党」だと叩くだろう。その批判が、鳩山由紀夫の民主党に対してはパースエイシブに響く。自民党の側は、間違いなく党首の顔を選挙用に変えてくることが予想され、舛添要一にせよ、小池百合子にせよ、鳩山由紀夫が相手だと戦いやすく、勝利を容易に感じるだろう。この構図だとマスコミも自民党側の応援につきやすい。

小沢_1_6政策面で懸念する点がある。これまで、派遣村の後に出た小沢一郎の左旋回指示によって、菅直人主導で動かしてきた労働者派遣法の改正問題はどうなるのだろう。仮に、岡田克也を前原誠司と野田佳彦が推し、岡田克也と鳩山由紀夫の一騎打ちで代表選が鳩山由紀夫に決まったとしても、当然、挙党体制のために鳩山由紀夫は岡田克也や前原誠司を執行部の中に取り込む必要がある。そうなると、必然的に政策も岡田克也や前原誠司の色を押し出す事態が生じる。これまで、小沢一郎の独断で進めてきた政策方針の決定過程が修正され、具体的に、この労働者派遣法野党案なども案件の一つとして再吟味のリストに入るだろう。岡田克也の側に寄せるということは、新自由主義の政策すなわち経団連側に近づけるという意味に他ならない。消費税に対する政策方針も同じだ。さらに、北朝鮮問題や憲法問題などについても、前原誠司の発言力が執行部内で比重を増すようになると、この3年間の小沢一郎体制の下でのそれとは相当に性格が違ってくることが予想される。簡単に言えば、社民党から離れ、自民党に近くなる。政治家としての鳩山由紀夫は、そもそも自民党から出発した世襲の保守議員であり、政策の立場は岡田克也や前原誠司と近い。今後の民主党では、新代表を射止められなくても、岡田克也の政策主張がマニフェストに色濃く滲む展開が予想される。

小沢_1_7小沢一郎を狂信的に支持し、小沢一郎でなければ政権交代はできないと宣伝扇動し、北朝鮮まがいの個人崇拝をプロパガンダしてきた小沢信者たちは、今回の追い詰められ辞任をどう見たのか。ネットを注視したが、相変わらずヒステリックな支持の声を叫び続けている。思考停止と観念倒錯。これを見て思うのは、例の小泉フィーバーであり、庶民たちの小泉純一郎に対する異常で倒錯した礼賛と帰依の現象である。小沢一郎は、ブログ左翼たちの続投要請の声など何とも思っていないのだ。全く耳を貸す対象ではなく、小沢一郎にとっての世論とは、正しく朝日新聞や読売新聞の世論なのであり、ネットを見ない小沢一郎にとって、ネットの片隅で一部の信者が金切り声を上げているという情報は、単に麻生太郎を支持するオタク小僧が秋葉原で遊んでいるとか、安倍晋三の熱狂的ファンのネット右翼が掲示板に巣食っているとか、せいぜいその程度の風聞を小耳にした程度の問題なのである。瑣末な噂に過ぎず、政治判断の材料にはならない。新聞にも出ているが、本人は今でも検察による次の捜査を恐れている。大久保秘書の公判で、西松献金をめぐる決定的な新事実が暴露される事態を恐れている。その確証を得たため辞任したという見方まである。単なる小心者で、決断力のない優柔不断な小者に過ぎない。典型的な世襲の殿様であり、政策構想も政治哲学もなく、それらがあるように説明する能力もない。

唯一の取り得は(自ら法案設計に口を出した)政治資金規正法のザル利用ノウハウで、それを駆使してゼネコンからゼニを集めて蓄財に勤しんでいたが、結局、それが命取りになった。小泉純一郎の人気は、嘗ての勢いは失せたけれど、現在でも一部の保守層で根強く残っている。小沢一郎もネットの一部に信者を残すだろうが、小泉純一郎と同様、基本的には次第に一般国民から忘れられた存在になり、嘗て何であんなに信者が熱狂したのか不思議に思われる政治家になっているだろう。小沢一郎の時代は終わった。

小沢_1_z
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No title

読売新聞の夕刊一面が、鳩山由紀夫と岡田克也で固められていました。紙面では、世襲に関し積極的に問題提起を行っている岡田克也を概ね支持するかたちで、鳩山由紀夫については、そこまで熱のこもった内容ではありませんでした。それだけにこの指摘には若干驚きました。
国民の気分、世論調査で一喜一憂する大衆迎合の政治体制といい、大東亜戦争の開戦前を思わせますね。それに世界的な懸念材料となっている保護主義(排外主義)が高度化すれば、ナショナリズムに変化し、本格的な全体主義へと転化するかもしれません。橋本徹や東国原英夫、森田健作のような権力者が次々と生まれているのも、よくない兆候です。総選挙が待ち遠しく恐くもあります。

重みのある記事です

西松問題の流れで小沢氏が代表を辞任したにもかかわらず、執行部の中で最も強硬に小沢氏続投を支持していた鳩山氏が時期代表の最有力として語られる。これは本来であれば異常としか言いようのない光景です。西松問題以降の民主党は組織としていかに危機を打破するかという視点から見たとき、あまりにもその対応がお粗末でしたが、それは今も全く変わってないことにひどく落胆させられています。北京五輪での野球惨敗直後に「星野WBC監督へ」との報道が大きく流れたときと同じ強烈な違和感をおぼえました。
一方、ブログ界隈では西松事件以降、左翼ブロガーが「ネット右翼の左版」と呼ばざるをえない醜態を晒し続けていることにも残念な思いで一杯です。数ヶ月前には麻生支持のネット右翼の決まり文句だった「マスゴミが恣意的に叩いてる」という言葉は、今や左翼ブロガーの常套句となってしまいました。情けない限りです。

承認待ちコメント

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出来レースか?

 この一騎打ちなる代表選、すべてが経団連と読売新聞社(とバスに乗り遅れまいとする朝日新聞社?)が仕組んだ出来レースのようにも見えてきました。辻本清美氏はかつて自民党と民主党には「ライスカレーとカレーライス」ほどの違いしかないと言っていましたが、鳩山由紀夫氏と岡田克也氏では「ライスカレー」の上に小沢氏の後見(院政?)という不味いラッキョウだか福神漬けだかがあるかないかの違いでしょう。13日の日テレの夜11時からのニュースで岡田氏を大々的にインタヴューしていましたが、経団連と読売にとっては岡田氏は本音での本名馬かあるいは派手な当て馬なのか少し気になります。
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