スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

湯浅誠の中間層論 - 中間層の反動化と戦後社会科学の中間層論

湯浅誠の中間層論_1少し前の記事で紹介した『経済成長って何で必要なんだろう』の本の中で、湯浅誠が興味深い中間層論を示している。この議論がずっと気になっていた。対談での発言を拾うと、次のように言っている。「いま正社員も含めた中間層が、物理的に落ちてきています。年収400万から800万の世帯がどんどん減ってきている。そのことと、自己責任論が力を持つことが、ちょうどセットになって起こっている。この、体は落ちているけれど、頭は上をめざすという分離、ねじれを包みこんでいかないといけない。結局、中間層を敵に回したら、社会的な影響力を持ちようがないですから、それを解きほぐす理屈なり言い方なり呼びかけなりというものができないものかと、ずっと思っているんですけどね」(P.178)。「そこは戦略的に運んでいます。累進の話をあまり言うと、中間層を敵に回しますからね。それは結局、先ほど言った中間層の分離に関わってきます。自分自身の生活がきつくなっていけばいくほど、彼は成功者に憧れ、下には厳しくなる。『成功せねばならない。自分に投資して何とか生き残らなきゃならない』というふううに。そうやって頭と体が分かれていくので、累進課税の復帰とかを言うと、一番過剰に反応するのは中間層になってしまう。もちろん私も、累進課税強化がいいと思います。だけど、いまその話をすると、『おまえは共産党か』とレッテルを貼られる。そこには国会の勢力図だけじゃなくて、それを支持する中間層の動きがある。だから、私がいの一番に累進課税を言えないのは、戦略的な問題です」(P.191-192)。  

続きの内容をレジまぐ版に公開しました。コメントはこちらの方にお願いします。

湯浅誠の中間層論_z1


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

格差是正と貧困撲滅の方策

>とすれば、それではどうすればよいのか。
>湯浅誠的な、格差是認の方向で政策プログラムを考える現実主義に立つべきなのか。
>非正規労働を認めてよいのか。

劣悪な労働条件の下で働かされている非正規労働者の地位を向上させ、
すべての労働者が「健康で文化的な生活」(25条)を営めるよう
非正規労働に対する規制を強化する必要があると思います。
以下の資料によると、日本の非正規労働者の割合は、他の先進諸国と比較すると際立って高い。
せめて、20%未満まで減らすべきではないでしょうか。

各国の非正規労働者の割合
2006年EU資料、日本は2008年総務省統計より
日本     34.5%
ドイツ    14.5%
フランス   13,5%
イタリア   13.1%
オランダ   16.6%
スウェーデン 17.3%
イギリス    5.8%
http://www.geocities.jp/tanigachion/news2009.htm

そのうえで、労働者・失業者等の生存権(憲法25条)を実質的に保障するために
ヨーロッパ先進諸国並みの3層のセーフティネットを構築し、かつ、それぞれのセーフティネットを改正する。

(1)第一のセーフティネット=雇用保険法の改正
失業手当を受給できない失業者が77%、空洞化浮き彫り
先進国における失業手当を受給できない失業者の割合:
日本:77%
アメリカ:57%
カナダ:57%
イギリス:40%
フランス:18%
ドイツ:13%
http://www.fukeiki.com/2009/03/ilo-japan-unemployment.html
77%が不支給。日本は先進国中、最悪です。
加入及び支給要件を大幅に緩和する必要があります。

(2)第二のセーフティネット=失業扶助制度の創設
「第二のセーフティネット」として創設されたはずの「緊急人材育成・就職支援基金」。
同制度についての湯浅誠氏の報告を世に倦む日々様が
「9/27 貧困をなくし社会保障を守る『基本法』を考えるシンポジウム」と題する記事で説明しておられます。
>湯浅誠の説明では、厚労省が情報を周知させておらず、
>事業を本気でやる意思がなく、失業者にとっても使えない(意味のない)制度であるため、
>こうした現状になっているのだと言う。
>記事によれば、7000億円のうち、「中央職業能力開発協会」が受け取る3年間の事務費は49億円で、
>さらに、そこから孫請けの「雇用・能力開発機構」に出す3年間の業務委託費は289億円。
>カネは失業者ではなく天下り法人に無駄に吸収されている。

こんな使えない複雑な制度ではなく、ヨーロッパで導入されている失業扶助制度こそが必要です。
(自営業廃業者もカバー)
これに職業訓練受講を義務付けても良いでしょう。

・「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」~ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く
http://diamond.jp/series/worldvoice/10043/

(3)第三(最後)のセーフティネット=生活保護法の改正
「北九州市方式」が有名ですが、困窮者に対して、
“水際作戦”“硫黄島作戦”という非人道的な仕打ちが横行し、
日本のカバー率は、16~20%に過ぎません。
他の先進国、たとえば、イギリスなら90%、ドイツなら70%カバーしています。
http://www.rofuku.net/kadai/data/07-3-seikatsuhogo.pdf

水際作戦を不可能にする制度的保障を創設するなど、生活保護法を改正する必要があります。
せめて、カバー率をドイツ並みの70%に引き上げを。

・生活保護法改正要綱案 生活保護法改正要綱案
http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/booklet/data/seikatuhogohou_kaisei_youkou_leaflet.pdf

もちろん、税制改革(累進の強化、給付付き税額控除の導入等)も必要。
いっそのこと、これらの諸制度を統合して、ベーシックインカムのような単純な制度を導入して問題に対処したほうがよいという意見もあります。
(理由は、総行政コストが低くて済む、無選別・無条件で人々が救われる等々)
税制や給付水準等、具体的な制度設計如何ですが、ベーシックインカムのような制度も良いかもしれません。

民間の非正規保母です

求人をかけても人が来ないと言う悩みがあります。もともと条件が悪いのに加え・・もっというと「使える人が来ない」


昨日も一人面接に来てましたが・・
「この子(といっても30歳ですよ)を育てながら一緒に働いていくだけの余裕は私には無いなぁ・・」と思っていたら案の定、園長は「断ってきた」と・・。


そしてまた我が職場の慢性的保育士不足はつづくのであります・・。

Re: 中間層論

「中流」(中間層でもいいですが)という言葉は確かに使う人によってその意味するところが異なり、混乱させられるものだと感じます。中流の概念は、近代以後の英国人の階級観の核心でもありますが、丸山眞男の提示する二つの中間層は、英国人の見る中流階級の対立とほぼ一致することに興味を覚えます。

実際、例えば大正時代に婦人雑誌などを中心におこった「生活改善運動」に関わる著述を読むと、当時この運動を牽引した人々は、「中流=都市に住む高等教育を受けた職能的俸給生活者」という言葉を正しく英国的 'middle class' の意味で用いていることが伺えます。丸山は戦前からの知識人ですから、もちろんこうした英国的階級観に親しんでおり、それゆえに引用部分にあるような言説につながるのではないかと考えます。

丸山の言う「擬似的インテリゲンチャ」とは、英国の文脈では 'lower middle class' として 'middle class' に対立する層であり、これは現代英国でマーガレット・サッチャーを生み出した層、保守的で強い上昇志向を持ち、金持ちと結託してサッチャリズムを熱烈に支持した層でもあります。これに対して、 'middle class' は、その都市指向、生産活動の資産非依存性、福祉主義的な社会観によって、労働党の精神的原動力となっていきます。クリントンの民主党もこれとほぼ同じ層を支持母体としていますから、ヒラリーの言う「中間層」とは、この意味での 'middle class' を指していると思います。

私の目には、日本の民主党政権は「第三の道」的な政治を目指しているように映ります。小泉政治の残したものは、サッチャリズムの跋扈によって傷つけられた社会という意味で、少なくとも表層的にはトニー・ブレアの労働党が登場した当時の英国の社会状況とよく似ていることを考えると、この選択は一見自然なものに思えます。そう思ってみると、福祉と教育を非常に重視する(と思われる)政策、一方で経済リベラリズムを必ずしも否定しない態度(小泉純一郎は、「民主党は自分の政治の後継者」と喝破しました)など、符合する点は多いのではないでしょうか。

プロフィール

世に倦む日日

Author:世に倦む日日
(世に倦む日日FC2版)

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
access countベキコ
since 2004.9.1












RSSリンクの表示
アクセス数とメール
エキサイト版に避難中です。
FC2のふざけた釈明

access countベキコ
since 2004.9.1


  
ご意見・ご感想

Twitter
Google 検索ランキング
下記のキーワード検索で
ブログの記事が上位に 出ます


竜馬がゆく
花神
世に棲む日日
翔ぶが如く
燃えよ剣
王城の護衛者
この国のかたち
源氏物語黄金絵巻
セーフティネット・クライシス
本田由紀
竹中平蔵
皇太子
江川紹子
G20サミット
新ブレトンウッズ
スティグリッツ
田中宇
金子勝
吉川洋
岩井克人
神野直彦
吉川元忠
三部会
テニスコートの誓い
影の銀行システム
マネー敗戦
八重洲書房
湯浅誠
加藤智大
八王子通り魔事件
ワーキングプアⅢ
反貧困フェスタ2008
サーカシビリ
衛藤征士郎
青山繁晴
張景子
朱建栄
田中優子
三田村雅子
小熊英二
小尻記者
本村洋
安田好弘
足立修一
人権派弁護士
道義的責任
古館伊知郎
国谷裕子
田勢康弘
田岡俊次
佐古忠彦
末延吉正
村上世彰
カーボンチャンス
舩渡健
秋山直紀
宮崎元伸
守屋武昌
苅田港毒ガス弾
浜四津代表代行
ガソリン国会
大田弘子
山本有二
永岡洋治
平沢勝栄
偽メール事件
玄葉光一郎
野田佳彦
馬渕澄夫
江田五月
宮内義彦
蓮池薫
横田滋
横田早紀江
関岡英之
山口二郎
村田昭治
梅原猛
秦郁彦
水野祐
渓内譲
ジョン・ダワー
ハーバート・ノーマン
アテネ民主政治
可能性の芸術
理念型
ボナパルティズム
オポチュニズム
エバンジェリズム
鎮護国家
B層
安晋会
護憲派
創共協定
二段階革命論
小泉劇場
政治改革
二大政党制
大連立協議
全野党共闘
民主党の憲法提言
小泉靖国参拝
敵基地攻撃論
六カ国協議
日米構造協議
国際司法裁判所
ユネスコ憲章
平和に対する罪
昭和天皇の戦争責任
広田弘毅
レイテ決戦
日中共同声明
中曽根書簡
小平
国民の歴史
網野史学
女系天皇
呪術の園
執拗低音
政事の構造
悔恨共同体
政治思想史
日本政治思想史研究
民主主義の永久革命
ダニエル・デフォー
ケネー経済表
価値形態
ヴェラ・ザスーリッチ
李朝文化
阿修羅像
松林図屏風
奈良紀行
菜の花忌
アフターダーク
イエリネク
グッバイ、レーニン
ブラザーフッド
岡崎栄
悲しみのアンジー
愛は傷つきやすく
トルシエ
仰木彬
滝鼻卓雄
山口母子殺害事件
ネット市民社会
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。