スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

加藤和彦の死を悼む ? 「あの素晴らしい愛をもう一度」の原風景

加藤和彦_1スリーフィンガーのギターのイントロが印象的な名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」は、1971年の4月5日に発表になっている。この曲を聴いて広がるイメージは、日本のどこにでもある地方の田園風景で、目の前に草っ原が広がって、小川が流れているような場所で、隣に座った女の子と二人で景色を見つめている感じである。日本の自然の情感がやさしく溶けている。70年代の日本の田舎は自然が豊かで、吹く風の中に森や花や草の匂いが生き生きと感じられた。この曲の中には70年代の日本の自然があり、その当時の瑞々しい青春の心がある。今の日本の若い音楽家のヒット曲の中には自然がない。自然の情景が浮かんでくる歌詞がない。それはきっと少年期の生活空間の中に自然がなかったからだ。この曲は、後に中学校の音楽の教科書に載り、幅広い世代に愛され続けることになるが、まぎれもなく70年代の歌としての個性を持っている。文部省が教科書に載せた理由も、この曲の、「一時代過去」という意味での古典文化性に着目したからだと私は思う。この曲を70年代的な創造性に特徴づけている要因は、加藤和彦ではなく北山修がもたらしたものである。追悼の言葉で、「常に時代の最先端を走っていた」と誰かが評していたように、加藤和彦の創造性には時代に制約されたところがなかった。60年代から活動を始めた音楽家でありながら、すでに80年代的な特性を身につけていた。「ナショナル住宅」のCMソングなど典型的で、80年代でも、90年代でも、現在でもそのまま通用するセンスがある。  

続きの内容をレジまぐ版に公開しました。コメントはこちらの方にお願いします。







スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

憧れ

筆者さまの音楽への造詣とミュージシャンを通した時代観の提示に深く感謝致します。

次代に続く私たちには、全共闘の方達の生きた社会やその空気感の把握に乏しく、あの時代への認識は一つの憧れと共に曖昧さの範疇から脱却できずにいます。

1964年の東京オリンピック以降に生まれた私の世代の多くにとって「あの素晴らしい愛をもう一度」は、当時の(公立小学校の)音楽の教科書の中の一つの装飾でしかなく、1972年の「浅間山荘事件」の直前に行われた札幌冬季五輪のテーマソングだったと記憶しているトワエモアの「虹と雪のバラード」と共に“授業中には一度も歌われなかった”卒業生たちだけの美しいメロディでした。

やや遅れて当時のテレビに流されていたのは、矢沢永吉さんの「時間よ止まれ」の衝撃感や「ダウンタウン・ブギウギバンド」のインパクトでしょうか。

私たちの世代を象徴する合唱練習曲は、圧倒的に「翼をください」の抑揚感にあったと思います。「ハチのムサシ」も大権に敗れた全共闘世代を謳った歌詞だったと最近知り、「翼をください」も実は権力に敗れた人々の鎮魂と渇望を謳ったモノなのかと拝見しながら考えていたところです。

私たちの世代は、まだ歌による時

憧れ(つづき)

(切れてしまったので続きになります)

私たちの世代は、まだ歌による時代観の刷り込みが機能していると信じていますが、筆者さまや故・加藤さんが提示されたように最近の世代に「時代を象徴するオンリーワンの曲の選出」はどうも至難のように思われます。そんな中で敢えて挙げるならば、アンジェラ・アキさんの「手紙」の歌詞や「いきものがたり」さんの楽曲に希望を見つけられるでしょうか。

昨年は縁あってトワエモアのコンサートに足を運ぶ機会に恵まれ、先輩たちへの憧れのメロディだった「虹と雪のバラード」を生で拝聴。その曲の持つ力強き美しさと醸し出す雰囲気に、映像の中にしかない冬季五輪の情景が重なり思わず感涙。

「信念が実現できる」と多くの若者達が跳梁跋扈した時代の終止符への一つの憧れは、こうして曲の中に閉じ込められたまま次代の進捗と共にその意味を換えつつ、人々の心に伝いゆくと私は信じています。

No title

ブログ管理者のここ数ヶ月間で最も優れた評論文の一つへの、これまた感性が光るトリニティー様のレスポンスへ、屋上に屋根をかけるものとなりますが一言。
小生は東京オリンピック少し前に生まれましたが、ビートルズは勿論のこと、加藤氏の「あの素晴らしい恋をもう一度」もトワエモアの「虹と雪のバラード」も音楽的揺籃期や幼年期の歌で、青年期、否、少年期の歌でさえありませんでした。今でも古典としての光を放っており、またかつてあったであろうユートピア(抵抗と世代内連帯感の60年代)の残照さえも感じさせますが...
 ブログ管理者様にはひどく叱責されるかもしれませんが、小生らの世代の少なからぬ者が歌で自然を感じたのは荒井由実/松任谷由実の「うそっぽい」であろう、ダウンタウンボーイとそのガールフレンドのお嬢様が夕日を見た野原を歌った詩や「ブリザード」の詩によって
でした。そして時代は80年代に突入し、デヴィッド・ハーヴェイの『新自由主義』(作品社版和訳)によれば、個人的審美主義と経済的自由主義が圧倒的な、コールハースの『狂乱のニューヨーク』が象徴するような新自由主義文化が圧倒する時代になります。

No title

 もう少し屋上に屋根をかけたく思います。
 そう、私は60年代前半に生まれ育った者たちは60年代と70年代前半の残照を浴びつつも、新自由主義文化の導入期と成熟期の中で青年期を過ごし、「人」と成っていったのだと考えています。70年代後半から80年代の馬鹿馬鹿しいほどの自民党田中派支配を経て、ロン・ヤスの片割れの中曽根新自由主義政権時代、そしてバブル期のことです。
 同窓会などに出かけると、あの時代の思い出話に花を咲かせつつも、その雰囲気を作り出した経済的・政治的背景を考えて何とも違和感を感じるものがあります。今自分の少年期や青年期から疎外されるとはその時期を満足に生ききらなかったという臨床心理学の症例のようですね。しかしやはり自分が育って来た環境の分析と、そこから何か肯定的なもの、マーニー教的に言えば「光のかけら」を拾い上げる作業を通してこそ、自分と自分の生きて来た時代と折り合って生きて行くことが出来ると思っています。「光のかけら」とは意味ある過去からの残照と、またベンヤミンとかブロッホふうに言えば実現していない未来の光です。他にも何かあるでしょう。

No title

すみませんが、最後に一言。「あの素晴らしい愛をもう一度」、YouTube画像を通じて聴きました。まさしく60年代から70年代初頭の残照を受けて80年代を作り上げた歌です。あの時代のフラッシュバック。あらためてブログ管理者殿の炯眼・慧眼に脱帽。加藤和彦さん有り難う。御冥福を祈ります。

振り返らず泣かないで歩くんだ

どうして誰も「風」に触れないのでしょうか?
私は介護していた時にこの曲に再開し、励まされるとともに青年の詩とはとても思えませんでした。
フォークルの他の2人の作詞作曲によるこの曲も彼の死を止められなかったのだと思うと残念でなりません。
この時代の曲には「誰もいない海」もあります。
加藤さんは海に約束しなかったのでしょうね。
プロフィール

世に倦む日日

Author:世に倦む日日
(世に倦む日日FC2版)

最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
access countベキコ
since 2004.9.1












RSSリンクの表示
アクセス数とメール
エキサイト版に避難中です。
FC2のふざけた釈明

access countベキコ
since 2004.9.1


  
ご意見・ご感想

Twitter
Google 検索ランキング
下記のキーワード検索で
ブログの記事が上位に 出ます


竜馬がゆく
花神
世に棲む日日
翔ぶが如く
燃えよ剣
王城の護衛者
この国のかたち
源氏物語黄金絵巻
セーフティネット・クライシス
本田由紀
竹中平蔵
皇太子
江川紹子
G20サミット
新ブレトンウッズ
スティグリッツ
田中宇
金子勝
吉川洋
岩井克人
神野直彦
吉川元忠
三部会
テニスコートの誓い
影の銀行システム
マネー敗戦
八重洲書房
湯浅誠
加藤智大
八王子通り魔事件
ワーキングプアⅢ
反貧困フェスタ2008
サーカシビリ
衛藤征士郎
青山繁晴
張景子
朱建栄
田中優子
三田村雅子
小熊英二
小尻記者
本村洋
安田好弘
足立修一
人権派弁護士
道義的責任
古館伊知郎
国谷裕子
田勢康弘
田岡俊次
佐古忠彦
末延吉正
村上世彰
カーボンチャンス
舩渡健
秋山直紀
宮崎元伸
守屋武昌
苅田港毒ガス弾
浜四津代表代行
ガソリン国会
大田弘子
山本有二
永岡洋治
平沢勝栄
偽メール事件
玄葉光一郎
野田佳彦
馬渕澄夫
江田五月
宮内義彦
蓮池薫
横田滋
横田早紀江
関岡英之
山口二郎
村田昭治
梅原猛
秦郁彦
水野祐
渓内譲
ジョン・ダワー
ハーバート・ノーマン
アテネ民主政治
可能性の芸術
理念型
ボナパルティズム
オポチュニズム
エバンジェリズム
鎮護国家
B層
安晋会
護憲派
創共協定
二段階革命論
小泉劇場
政治改革
二大政党制
大連立協議
全野党共闘
民主党の憲法提言
小泉靖国参拝
敵基地攻撃論
六カ国協議
日米構造協議
国際司法裁判所
ユネスコ憲章
平和に対する罪
昭和天皇の戦争責任
広田弘毅
レイテ決戦
日中共同声明
中曽根書簡
小平
国民の歴史
網野史学
女系天皇
呪術の園
執拗低音
政事の構造
悔恨共同体
政治思想史
日本政治思想史研究
民主主義の永久革命
ダニエル・デフォー
ケネー経済表
価値形態
ヴェラ・ザスーリッチ
李朝文化
阿修羅像
松林図屏風
奈良紀行
菜の花忌
アフターダーク
イエリネク
グッバイ、レーニン
ブラザーフッド
岡崎栄
悲しみのアンジー
愛は傷つきやすく
トルシエ
仰木彬
滝鼻卓雄
山口母子殺害事件
ネット市民社会
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。