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エルサレム発言の「卵」、身体、性、<物語>の物質的基礎

1Q84_1小説『1Q84』の感動の中心にあるものは何だろうか。私の読み方では、同じように過酷な家庭環境を強いられた10歳の青豆と天吾の出会いとラブシーン、そして青豆の天吾への「永遠の愛」である。洋泉社のMOOKにゴムの木の花言葉の情報が載っていた。青豆が部屋で最後まで育てていたゴムの木。その花言葉は「永遠の愛」。読者にとっての村上作品への期待は、今度の作品ではラブシーンをどう描いてくるだろうかというところにある。村上春樹の小説はどれもラブシーンが印象的で素晴らしい。「手で導く」幻想的な『ノルウェイの森』。衝撃的な構図で読者を驚かせた『国境の南、太陽の西』。そして、透明な二人の心と体が異次元で音も立てずに交わって通り抜ける、クリスタルでトランスペアレントな『海辺のカフカ』のラブシーン。15歳の少年と母親ほども年の離れた女性との静謐で神聖な情愛の場面。村上春樹は新作ではどんなラブシーンを見せてくれるだろうかと思ったが、期待をはるかに超えて、度肝を抜くラブシーンがぶつけられていた。今度の二人は10歳の小学生。そしてセックスはおろかキスもないラブシーン。しかし、それはまぎれもなく人間の性愛行為なのであり、作品のキーのテーマとメッセージがここにある。  

続きの内容をレジまぐ版に公開しました。コメントはこちらの方にお願いします。

1Q84_z


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電気羊の彷徨う牧場

 輪廻転生を現象として分析し、深い意味での次代の「教育」を考えられた「神智学」の提唱者、ルドルフ・シュタイナーは、このようなことを述べています。この世に生まれて来た生命は、女性なら初潮のはじまる前あたりまで(平均して10歳から15歳)濃厚に前世の宇宙での記憶を残している。それ以降は現世の方法論を学ぶことに忙しくなり、それらの記憶は急激に減少していく、と。
青豆と天吾はそんな前世の記憶が濃厚な、まだ10歳のときにめぐり逢い、手を握りながら、その前宇宙での二人の幸せな時代のことを一瞬なつかしんだのではないかな、と想像しました。ふたりはこの世でのそのはかない出逢いを再確認するための旅をつづけます。春樹という名の語呂合わせではないのですが、戦後すぐのラヂオ番組から有名になった、真知子と春樹のすれ違いのドラマ「君の名は」も思い出しました。
前作で、15歳の少年田村カフカは、混乱しきったその前期思春期を、勇気を持ってひとりで乗り切ろうとやはり旅に出ます。こちらの方は、かれのその勇気で、幽霊の世界や影の世界を切り取っていき、それらの妖怪世界以上にグチャグチャな現世に戻っていく予感を含ませて物語を終わります。

 どちらも、冷酷で救いのない、大嵐の大海のような日本の現代社会を泳ぎはじめた小さな人類たちの物語です。
かれらが抱える共通の最大の問題は「イジメ」で、かれらがおとなになった世界でのその不可解な差別意識は、違ったかたちでますます現出化し、多様にこの社会を蝕んでいます。
もし自分が、いまの日本に住む10歳の少年であったら、と想像すると、なんだか背中に虫酸の走る思いです。それは他のどの国にも想像できるもので、別段日本だけを悪くいうつもりはないのですが、過去の自分の少年期と比べてあまりにもひどい精神環境に、唖然とします。
今日の記事に出て来た現大阪府知事は、苦学のすえに現在の地位を勝ち取られた、と聞きましたが、その時代に苦学する者のためには、社会のさまざまな大きな支えがあったはずです。恐るべき格差、貧困社会が現出した現代日本で、ほとんど不可能になった「苦学」をも、知事自ら抹殺してしまう神経は、いったいどこからかれに忍び寄ったのでしょうか。

 世に倦む日日さんは、新自由主義によって社会が改悪されつづけていることを弾劾され、それはもちろん事実で正論なのですが、もっと大きな意味での市場原理主義、そこに行き着いた資本主義そのもの、それらに至る農耕からはじまった人類の長い歴史、それらのどこかに、すべての現代人の精神環境を蝕んでしまった遠因であるような気がしています。それらを考え直すのは、春樹氏を含めた東洋からの智慧しかないのではないか、そんな思いで、当方ブログで「陰陽の限りない非対称」と題して書いています。9月11日までに次稿(2)をアップします。お時間のあるときお尋ねいただければ幸いです。 NY金魚

われわれの「卵」を壁にぶつけるな

 このように、われわれの未来社会を担う「卵」=子どもたちのことで頭がいっぱいになってしまった今日(9月8日)の午後、新学期のはじまる日にあたってオバマ大統領の教育に関する演説が、ヴァージニアの高校で行なわれ、全米の子どもたち、学生がこれを聴きました。
http://www.guardian.co.uk/world/2009/sep/08/barack-obama-school-speech-full
 オバマはそこにいるひとりひとりの学生に語りかけるように、未来のアメリカをになう人びとを勇気づけました。オバマ自身の成功ストーリーは君たちのものでもあると。
オバマが子供だったインドネシア時代、お金のなかったかれの母親が、週5日早朝4時半からオバマに個人レッスンをした話。オバマが朝早いのが辛いと文句を言うと、母親は「これは私にとってもピクニックじゃないのよ、坊や」と返された話。今日まだ学校に戻るのを渋っている幾人かが君たちのなかにいることを知っています、という出だしで、オバマ節快調です。
学生たちに、勉学に励むように呼び掛け、「君たちひとりひとりみんなに得意なことがある。ひとりひとりみんなに何かできることがある。そして、君たちにはそれが何であるか、自分で発見する責任がある。それを見つけるチャンスこそが教育によって提供されるものです」
 事前に保守派の反発があったものの、これも織り込み済み。9月の年中行事になっています。
今日の世に倦む日日氏のご指摘通り、おなじような論旨で、過去の共和党レーガン、あのパパブッシュすらも、未来のアメリカをになう学生へのポジティヴな発言があります。発言だけでなく、学生のための手厚い奨学資金制度は、世界のどの国とくらべても恥じないものです。
いったい、日本の首相が、その国の未来を担う子どもたち全員に直接語りかけることなどあったのでしょうか。もっともいままでの首相の顔を直接見たら、子供たちも逃げてしまうのでは、という危惧もありますが。
「自己責任がいやなら日本から出て行け」と言った大阪府知事の発言は論外ですが、アメリカの奨学金制度も自己責任で全額を返済していくものがほとんどです。ただ奨学金額と受ける対象の裾野が圧倒的に広い。日本も制度さえ整えば、ほとんどの若者を救済できるはずです。子どもたちの将来の理念の芽を摘むような政治家の言動が問題なのです。
アメリカの家庭は、お金持ちでも子供の自立を早くから求め、生活費も援助しない両親が多い。これには賛否があると思いますが、日本の大学に行く余裕のない家庭に育った青年が、渡米し、英語学校からはじめて、スシ・レストランで仕事しながら、米大学を卒業し、立派になった例を数人知っています。自立心という財産も、日本からずいぶん海外流失しているのではないでしょうか。
 新首相、どうぞこれからは、いくら不景気でも、その先にある国の未来を考えて、子どもたちと語り合うことをはじめてください。こんなあたりまえのこと、どうして僕が海の向こうから言わなきゃなんないんでしょうね。
 またまた超長いコメントですみません。世に倦む日日の記事には、文章欲望を触発する何かがありますね。

No title

村上春樹の文学には暗号がたくさん用意されている。暗号は読む側のレベルによっても解読できるのとできないのがあるが、時代によって、国によって、開いたり開かなかったりもするのだろう。確信犯的に、あるいは、神の見えざる手が村上春樹に乗り移ることでしかけられた暗号こそが、彼の天才を証明するものだと思う。

であるとき、たびたびこちらのサイトの最重要課題の一つでもある「想像力の欠如」こそが、扉を開ける鍵なのだろう。今朝、ある友人からもらった一節を添えたい。

「ファンタジーとは現実から逃避したり、おとぎの国で空想的な冒険をすることではありません。ファンタジーによって、私たちはまだ見えない、将来起こる物事を目の前に思い浮かべることができるのです。私たちは一種の預言者的な能力によってこれから起きることを予測し、そこから新たな基準を得なければなりません。」(ミヒャエル・エンデ)
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