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民主党のマニフェストを読む(3) -「政治主導」と菅直人の『大臣』

政治主導と「大臣」_1今、菅直人が書いた岩波新書の『大臣』を読み返している。11年前の98年に出版されて、当時も世間で話題になって好評を得た本だった。菅直人の著作の中でも代表作になる一冊と思われる。あらためて読みなおして、憲法(特に統治機構論)と行政学を学ぶ上できわめて有用な入門書の古典だと感じる。読みやすくてわかりやすい。今年の春に大学の法学部に入学した学生は、ぜひ夏休みにこの本を課題として読んでいただきたい。そして、議院内閣制に関する基礎知識を身につけると同時に、民主党のマニフェストで打ち出された政府の意思決定機構改革の理論的な骨格や背景について参考教材にしていただきたいと思う。法学部の新入学生だけでなく、何かの幸運で刺客候補に抜擢された者とか、公募で偶然に採用されて衆院議員候補者の比例名簿の末端に名前を載せた者は、どれほど選挙運動が忙しくても、時間を割いて必ずこの本を熟読していただきたい。もう一つ思うのは、11年の時の流れである。この頃はまだ現実の政治や経済に対して理性で真剣に向き合う人間が少なくなかった。菅直人も期待を託せる良質な政治家だった。すべてが変わった。変わり果てた。今は、緊張感を持って現実に対峙している理性の存在をこの国の中に確信できない。  

続きの内容をレジまぐ版に公開しました。コメントはこちらの方にお願いします。

菅直人の『大臣』を読みながら、官僚主導から政治主導にするためには、4年間揺らぐことのない堅固な政権(首相と閣僚)が必要であることを痛感させられるわけですが、ここから、まさに逆のことを思わされました。いわゆる55年体制というのは、自民党の一党支配が続く時代であり、何でも反対だけの野党がいて、「政権交代」のない不毛な時代だったと言われるわけですが、あの高度成長は、まさにその政治を条件にして可能だったのではないかということです。

自民党が、今度のマニフェストで10年後の可処分所得100万円増を言い、それを民主党は「公約にならない時間の長さ」だと批判するわけですが、池田内閣の所得倍増計画などというのは、果たして現在のような(擬似)二大政党制を想定したとき、国家のプロジェクトとしてワークしただろうかと思うわけです。選挙のたびに「政権交代」が起きるような脆弱な政治基盤では無理ではないかと。ソフトな開発独裁と言うか、当時の自民党政権はそういう性格を持っていたわけですよね。

民主党が選挙で多数を得て政権を握っても、間違いなく政策の面で連立政権には波乱があります。政権が動揺し、首相がコロコロ変わり、政権の組み換えが頻繁に起きるようになると、官僚が力を持ち、何でも官僚が仕切るようになります。今の政治の現実を見ていると、選挙の後で4年間続く安定政権ができるとは考えにくいところがあります。事務次官会議の廃止という重大な方針も、当初、鳩山由紀夫は否定をしていました。橋下徹へのご機嫌とりでマニフェストの正式版を出し直すとか、やることが場当たり的ですよね。


政治主導と「大臣」_z



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No title

我が家は日本農業新聞を購読していますが、8月1日の一面に、”米国とのFTA締結”に対する批判が載っていました。

この件は、農家の人脈を通じて、じわじわと広がっていくかと思います。
其れこそ、投開票まで一ヶ月もあるわけで。

民主党にとって、農業従事者は、支持基盤である労働者(組合員)とは異なるという認識があるのでしょうか。

仮にその様な認識はもっていなくても、自ら線引きと受け取られかねない事をしてしまったという事実は、大きな失点になるかと。
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