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中江兆民の『三酔人経綸問答』 - 憲法9条の思想的源流を確認する

三酔人経綸問答_1今年、自分自身の体験の中で最も印象深く意義深かったのは、8月6日の広島の平和記念式典に初めて参加したことである。聖地巡礼を果たせてよかった。そして、記事で詳細を報告したとおり、その場所には想像していたよりもずっと大きな発見と感動があった。筑紫哲也がそこへわれわれを誘っていた理由がよくわかった。読者の皆様には、ぜひ一度足を運ばれることをお薦めしたい。年をとりながら、私は次第に9条に原理的に即くラディカルな平和主義者になりつつある。と言うより、周囲に戦争主義者の密度が高まっているため、相対的に私がその立場で際立ってしまうのだろうとも思う。「戦争だけはしてはいけない」と若い者に口癖を言う老人になった。最近、平和と反戦をテーマにした記事が多くなり、右翼方面から揶揄や嫌がらせのコメントが入ることが多くなった。当然、日本は9条の非武装原理で安保と外交の政策を舵取るべきだし、それが最もよく国益を守る道である。今回の記事では、古典である中江兆民の『三酔人経綸問答』を紹介し、その中に平和憲法の思想が実在する点を指摘したい。この事実は、おそらく専門の知識世界では常識の範疇だと思われるが、なぜか一般の人々に教説される機会が少なく、世間一般の常識に到っていない。『三酔人経綸問答』こそ、右翼の言う「平和憲法押しつけ論」を一撃で否定し反駁する思想史的物証そのものだ。何と言っても、この書の出版は明治20年(1887年)なのである。

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方法としての『一九八四年』 - 全体主義国家のメタファーと心象風景

方法としての「一九八四年」_1今年の私のブログ活動の中で最も大きな成果は、オーウェルの『一九八四年』の発見である。この政治学的な発見と問題提起については、我ながら満足を覚え、一年の締めくくりにそう報告することができる。政治学者ならば、日本の今の現実についてオーウェルの比喩で説明し、人々に恐怖の覚醒を促さなくてはいけない。オーウェルの『一九八四年』を2010年の日本の姿を予言した書として紹介し、オーウェルの世界がわれわれの日常である真実を浮き上がらせ、それを説得することを日本の知識人はしなくてはならない。この知見は、現実を分析する上での一つの有効な政治学的方法の発見であると言えよう。レントゲン撮影による身体の透視が、自覚なき患部の異常を視覚的に証示するように、このメタファーの方法的適用はわれわれに現実の真相を図解して検知させるものだ。オーウェルの『一九八四年』が、われわれに現代日本の社会の概念と類型を教える。そう確信する。欲を言えば、私はこれを論文にして発表したいけれど、ブログの記事の形式でも意味を伝えるには十分だろう。オーウェルの『一九八四年』は、全体主義について書かれた書である。われわれは、今、全体主義の入口に立っている。そして、レントゲン写真は癌の初期段階を示している。過去の業績において、全体主義論でこの国の現実を分析した理論として藤田省三があるが、2010年をオーウェルの比喩で透視する方法は、藤田省三以上の説得力になるだろう。

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司馬遼太郎の最後の言葉 - 倫理

司馬遼太郎の予言_1司馬遼太郎の最後の対談が載った週刊朝日(96年3/1号)が手元にある。14年前のものだから紙質も傷んで相当に古くなったが、捨てられないまま持っていて、何年に一度か読み返すことがある。田中直毅との住専問題についての対談だ。死の9日前に大阪市内で行われた対談は、「日本人への遺言」と編集部によって題された。そこに、こういう言葉がある。「今日の事態というのは、どう考えたらよいでしょう。私は、太平洋戦争を起こし、負けて降伏したあの事態よりももっと深刻なのではないか(中略)そう考えています」「次の時代なんか、もう来ないという感じが、僕なんかにはあるな。ここまで闇をつくってしまったら、日本列島という地面の上で人は住んでいくでしょうけれど、堅牢な社会を築くという意味では難しい」(P.37-38)。私は、この言葉をずっと反芻して考え続けてきた。最初に持った感想は、いくら何でも太平洋戦争の敗戦と比べれば、そちらの方が深刻かつ重大で、バブルの土地投機の過誤と厄災の方は、それよりずっと軽いだろうというものだった。戦争では、国内で3百万人、海外で1千万人以上の人間を殺している。バブル経済の失敗は、決して人を殺戮したわけではなかった。最近になって、司馬遼太郎の言葉に理解的な解釈を与えられるようになり、そして、同意し共感するようになった。遺言であると同時に至高の予言だったという思いが強い。太平洋戦争の敗戦より深刻な理由、それは次の時代の日本がないからだ。

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老壮青の国民生活党 - テレビ出演、政策軸明示、人材で軍団再建

年末政局_3_1昨日(12/20)、小沢一郎と菅直人が官邸で1時間半も会談した。会談の内容について、マスコミ論者がテレビであれこれ言っている。政局商売で稼いでいる。こういうときこそ、小沢一郎はテレビに出演すればいいのである。国民大衆は会談の中身について詳しく知りたい。菅直人は会談後に会見し、自分に都合のい情報をマスコミに流しているが、小沢一郎の方は何も直接には説明していない。小沢一郎の口から話を聞きたいと誰でも思うし、それは世間一般の瞬間的な情報ニーズである。ニーズに正面から応えればいい。小沢一郎が登場するとなれば、その番組の視聴率は一気にハネ上がる。テレビ局は揉み手の大歓迎で、出る側は事前の条件交渉で有利な立場を得られる。すなわち、官邸での会談の説明についても、小沢一郎の側から意味づけした情報を(朝ズバ的な妨害なしに)自由に発信することができる。小沢一郎が何も口開かなければ、マスコミが菅直人や仙谷由人の思惑どおりに情報を流し、世論の空気を押し固め、彼らの目指す方向に小沢政局をドライブする。小沢一郎は単なる「斬られ役」になるだけで、菅政権の支持率向上に利用されて捨てられるだけだ。小沢政局は、菅直人が政権浮揚のためにやっていて、その真相は次第に見透かされつつある。であれば、小沢一郎の口からそう暴露すればよいのであり、自ら「悪役」を引き受けて隠れて逃げ回る必要はないのだ。権力闘争なのだから、反撃すればよいではないか。

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中国を仮想敵国とする防衛大綱 - 国会議論抜き、日本版NSC設置

防衛大綱_1先週、防衛大綱が閣議決定され、12/17のテレビと12/18の新聞はその報道で埋められていた。テレビは特にNHKが詳しく、大越健介が念入りに刷り込みの宣伝をやり、森本敏を映像解説で使って「動的防衛力」の意義を強調させていた。12/18の朝日新聞は、3面から5面を使って防衛大綱を大きく紹介し、社説も防衛大綱について書いている。菅直人の沖縄訪問も、小沢政局の党内抗争も、すっかり脇に追いやられた紙面編集になっていた。NHKと朝日。この二社は日本の標準の報道機関であり、すなわち、政府側が国民に防衛大綱を教育洗脳し、積極的な観念を持たせようとする情宣工作の熱意がよく伝わってくる。「動的防衛力」には二つの特徴があり、その一つは、陸自を削減して海自を強化し、特にMDに重点を置いている点であり、もう一つは、中国を仮想敵国として南西諸島にリソースを集中させようとしている点である。冷戦崩壊以降、日本の防衛戦略は仮想敵国を持たなかったが、今回、中国を仮想敵国として戦力の整備と配置を進めることになった。このことは、中国にとってはきわめて重大な脅威であり、今後、海軍力の増強に拍車がかかるに違いなく、軍備拡張を正当化する口実にするだろう。日中両国で歯止めない軍拡競争のシーソーゲームとなる。前田哲男はその点を指摘し、「動的防衛力」を批判していたが、森本敏や小川和久は対中軍拡にフォーカスした新大綱を絶賛していて、それが報道と世論の主流になっている。

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小沢一郎はテレビに出演せよ - 大義と正論に自信があるのなら戦え

小沢一郎はテレビ出演せよ_1菅直人が支持率回復のためにリーダーシップの演出に躍起になり、それをマスコミの幇間連中がヨイショしてやっている。?税制と予算が大詰めの時期の(指揮官が官邸を留守にする)硫黄島遺骨収集、?現地視察も事前調整もなしの諫早湾開門決定、?マニフェストに掲げてもいないのに財界にバラマキした法人税減税、?そして沖縄訪問。これらは、一言で言えばパフォーマンスであり、人気取り目的の見え透いた点数稼ぎの思いつきの羅列である。そんな子供騙しは誰でも理解できる。マスコミの論者はそう明快に言ってやるべきだし、それが国民の心情を代弁する正論なのだろうが、テレビ局から台本が回っているのか、ワイドショーの出演者たちは、「菅さんもよくやっている」などと持ち上げる言動を吐いている。仙谷由人がテレビ局の幹部に年末ジャンボな官房機密費をバラ撒いた効果だろうか。マスコミは、菅直人が財界の要望どおり法人税減税を決め、消費税増税を来年6月の日程に固めたことを歓迎し、何やら支持率の下支え工作に転じつつあるように見える。これから小沢一郎との抗争に入る戦時ということで、今、マスコミが菅直人を見切って叩きすぎると、逆効果で小沢一郎が浮上する恐れがあるという計算もあるのだろう。9月の代表選のときにように、菅直人支持で布陣を引き締め、軍団の一部としてこの政争に参戦しようとする態勢作りなのだ。マスコミは反小沢精力の主力である。

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来年度予算編成について3点 - マスコミと財務省の嘘と法人税減税

予算編成_1来年度予算の大枠が固まりつつあり、情報がマスコミを通じて流されている。今日(12/16)の朝日の紙面記事(5面)では、歳出規模が92兆円規模となり、国債費(21兆円)を除く歳出全体が約71兆円になる見通しだと書かれている。歳入の方は国債発行が44.3兆円、税収が約41兆円で、埋蔵金が7兆円となっている。注目すべき点が三つある。第一は税収が昨年度より増加している事実であり、第二は埋蔵金が7兆円も出てくる不思議であり、第三は総額92兆円の歳出規模が大きすぎる問題である。第一点、まず歳入だが、税収は昨年度当初計画の37兆円と比べて4兆円増えている。もし法人税減税をしなければ、1.5兆円が上積みされ、42.5兆円となって5.5兆円の増加となっていた。このことについて、私は6/13のブログで指摘している。菅直人が6月に消費税増税を言い出し、7月の参院選で決めようとしたのは、「昨年度比9兆円の税収の落ち込み」という財政危機を強調して政治宣伝するのに絶好の時期だったからだった。リーマンショック後の世界金融危機が一段落し、企業の業績が回復し始めれば、税収が元の水準に戻るだろうから、そうなれば財政危機を煽る口実がなくなり、消費税増税が言いにくい環境になる。そういうタイミングだった。予想したとおり、税収は回復している。今年度も当初計画に比べて2兆円以上税収見込みが上回っており、だからこそ、新規国債発行なしに補正予算を組むことができた。

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「朝ズバ」で与良正男と杉尾秀哉を論破した森ゆうこの感動的勇姿

年末政局_2_1本日(12/14)のTBS「朝ズバ」での森ゆうこの弁論は素晴らしかった。優秀で勇敢な政治家の言論だ。みのもんた、与良正男、杉尾秀哉、高木美也子らの五人衆による集中攻撃を一人で論破し、20分間の生放送の討論を堂々の独演会に変え、視聴者を圧倒的に説得した。こういう映像を私は見たかったのである。胸のすく思いで、今日はとても気分がいい。興奮が続いている。人材が政界に払底し枯渇する中、この快挙と圧巻で、森ゆうこは次の総理候補になったとさえ言っていい。論点は二つあった。一点はマスコミ批判で、特にTBSの「朝ズバ」が、西松事件に関して小沢一郎に贈収賄の疑惑を向ける「証言者」の捏造ビデオを放送した点を衝き、こうした根拠のない小沢疑惑をマスコミが流し続けるから、世論調査で9割の人間が「政倫審に出るべき」の回答になるのだと喝破したこと。もう一点は西松建設の裁判についての説明で、西松の元部長が法廷で証言した結果、迂回献金のダミー会社とされた企業はダミーではなく実体があった事実が明らかとなり、検察は訴因変更に追い込まれ、西松裁判そのものが消滅していると暴露したこと。急所であるこの二点が鋭く切り込まれ、論理明晰に滔々と論じられ、ゲッベルスの与良正男も杉尾秀哉も顔色を失ったまま沈黙せざるを得なかった。論戦は森ゆうこの圧勝で、まさに日本海海戦的なパーフェクトゲームで終わり、朝ズバ軍の反動艦隊は撃滅された。苦虫を噛み潰す杉尾秀哉の表情をカメラが捉え、吊し上げてリンチする思惑が外れた不興を映していた。

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NHKの『日米安保50年』- ジャーナリズムの真髄を見せた国谷裕子

NHK「日米安保50年」_1一昨日(12/11)に放送されたNHKスペシャル『日米安保50年』は、素晴らしい内容で感動させられた。同日に放送された第3回「"同盟"への道」、そして先週末に放送された第1回「隠された米軍」と第2回「沖縄"平和"への代償」も秀逸だったが、私が特に感銘を受けたのは、第4回の討論会である。司会の国谷さんが絶品で驚嘆させられた。NHKは数年前も日米安保と米軍再編の特集をやったが、三宅民夫の企画と仕切りで恐ろしく属米反動の内容だった。その後も、クローズアップ現代で取り上げられた場合も、日米安保や普天間問題については親米売国的な論調が固守され、貧困や格差についての報道姿勢とコントラストを描いて、テレビの前の私を幻滅させていた。今年のクローズアップ現代は、政治現場の「逆コース」を反映して偏向報道が目につく放送回が多く、参院選後に山口二郎を出して消費税増税プロパガンダをやらせたり、代表選後に江田五月が悪辣な小沢バッシングをやったり、反動政治へのシフトが顕著で、番組を見る機会も自然に減っていた。そのため、国谷さんの今度の特集についても、事前は半信半疑であり、国谷さんの「転向」と「出世」を印象づけられて落胆させられるのではないかと恐れていた。ところが、中身は全く予想と異なっていて、現在の日本では考えられない高度なジャーナリズムが提供されていた。三宅民夫の「日米同盟」礼讃扇動とは天と地ほども違う。国谷裕子は優秀なジャーナリストだ。

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年末政局 - 小沢派の追放と大連立、クーデターと逆コースの仕上げ

年末政局_1通常、この季節は予算と税制でマスコミ報道が埋まるけれど、今年は年末政局の騒動になっている。大連立が喋々され、小沢一郎の除名と新党結成が話題の中心である。いろいろな解説や憶測がされているが、この権力闘争の本筋は、菅直人と仙谷由人が政権の浮揚と安定のために小沢叩きをやり、さらに小沢斬りを断行するということだろう。小沢叩きの政局を演出すれば、マスコミが菅政権の支持率を引き上げてくれる。小沢一郎が離党してくれれば、連立の組み替えに持ち込むことができる。菅直人と凄雲会は、小沢一郎と小沢派を追放処分する気だ。そして小沢一郎の粛清は、連立組み替えの数合わせと意味が重なっている。すなわち、離党者の数が少なければ公明党と連立を組み、数が多ければ自民党との大連立に移行する。そういう計算と論理だろう。マスコミは、現時点では大連立に積極的な評価を控え、渡辺恒雄の動きに揶揄と冷笑の視線を送っているが、これから小沢政局が本格化し、小沢派の集団離党が確実な情勢になれば、必ず大連立せよと囃し立てるに違いない。参院選後に星浩が報ステで何と言っていたか。大連立でねじれを解消して、消費税増税せよと言っていたではないか。これは官僚の要請であり、米国の要求でもある。大連立によって、?消費税、?TPP、?武器輸出三原則、?集団的自衛権を解決する。

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「自由と繁栄の孤」の復活とEATO - ユネスコ憲章とプロパガンダ

自由と繁栄の孤とEATO_1昨夜(12/9)、大越健介が米韓軍事演習に日本も積極参加する意義を説き、それに豪州とインドまで加えた中国封じ込めの世界軍事戦略をプロパガンダしていた。それを聞きながら、「自由と繁栄の孤」を思い出した。昨年の政権交代によって、地上から消滅したはずの麻生太郎の反中反共ドクトリンが、甦って日本外交の基軸政策に軌道定置されている。言葉としては言われないが、今の日本政府が採択している安保外交指針の内実は、まさしく麻生太郎の「自由と繁栄の孤」だ。60年前のケナンの対ソ戦略と同じで、中国を包囲し軍事圧力をかけて体制崩壊を狙う冷戦政策である。しかも単に概念が復活しただけでなく、民主党政権の下で自民党時代よりもずっと積極的に政策行動が具体化され既成事実が固められている。今後の長期の安保外交路線としてコンクリート化されている。豪州軍と自衛隊の間で、すでに相互協定が締結されているが、普通に考えて、これなどは集団的自衛権の行使禁止に明白に抵触する違憲行為ではないか。国会で何も論議がないのが不思議だ。南半球で任務する豪州軍の作戦活動に、専守防衛の自衛隊が支援協力する必要がどこにあるのか。自衛隊の専守防衛の範囲は、赤道を越えて南極にまで達するのか。すべてが「周辺国との連携協調」の言葉で正当化されているが、これは経済ではなく軍事の国策行為である。国民の税金を使っている。常識で考えて異常で、憲法9条の逸脱である。

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ジョン・レノン30回忌の欺瞞と孤独 - 誰も反戦と平和を言う者がない

ジョン・レノン30回忌_1今日はジョン・レノンの30回目の命日。あれからもう30年も時間が経った。ネットでは微かにアニバーサリーの情報が見えるが、マスコミや業界は冷淡と言えるほど扱いが靜かで、ジョンに関心と尊敬を寄せる層が高齢化している現実を窺い知る。おそらく、ジョンの30回忌に何かを企画して世に問うべき者たちが、業界の第一線から引退を始めているのだ。若い世代はジョンやビートルズをよく知らず、当時の時代の空気を肌身で感じて育っていない。精神のカーネルの中にジョンの要素がない。ジョンの思想的影響という点からすれば、あくまで一般的にだが、若い世代はそこから自由と言うか、もっと言えば、ジョンの思想性については、自分とは無縁で異質なものとして、対立的な対象として、遠い過去のものとして捉えているだろう。「左翼」という否定的な観念と表象が被せられて、嫌忌的な存在として意識しているかもしれない。本当に、世界はジョンの理想や思惟からは遠い地上となった。ジョンの思いや願いが人の心に届かず、人の心に共有されない現世になった。世界は通信と情報のテクノロジーで繋がり、とても小さな界隈として一つに縮まったにもかかわらず、人と人の心が通い合わない空間になっている。金儲けと弱肉強食の論理だけが支配する、「グローバリズム」のプロトコルで人と人が関係する無機的な世界になっている。それは、ジョンの意志や希望とは敵対的なものなのだ。愛のない世界だ。

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会津京遷都論 - 国心の北方移動、富の均等配置、官僚支配の根絶

会津遷都論_1官僚から政治が権力を奪還するために、遷都を断行しなければならない。平安遷都によって南都の貴族寺社勢力が権力基盤を失ったように、霞ヶ関を更地にする必要がある。今年、知識人から聞いた議論の中で最も印象に残っているものが、神野直彦がNHKの日曜討論で述べた予算論である。7月の参院選のとき、消費税増税論がたけなわの時期だったが、神野直彦は、民主党政権の欺瞞を衝き、次のように言うのである。本当に政治主導で予算を組むのなら、年度の初めに大きな編成方針を出さなくてはいけない。民主党はマニフェストで政治主導の予算編成を約束しながら、実際には、新年度の予算編成について何も方針と指示を出していない。つまり官僚のフリーハンドに委ねている。政治が方針を出さなければ、官僚は従来の論理と利害で予算を組む。この指摘は当を得ている。1月の陸山会事件で小沢一郎が半失脚し、2月から4月にかけての普天間政局で鳩山由紀夫が米国とマスコミに追い落とされ、官僚の予算編成に政治が介入する余地がなくなった。本当は、「大臣は役所の代表ではなく国民の代表だ」と言った男が、財務相になって抜本的な予算の組み替えに着手し、一般会計と特別会計を統合するはずだったが、この男が卑劣に裏切り、官僚の走狗と化してしまったため、国民が期待した政治主導の予算編成は幻想となった。私が遷都する先は、福島県の会津若松市である。

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構想八策 - 増税なき財政再建、所得倍増、食糧自給、首都機能移転

構想八策_1講演が終わり、何人かの方から労いのメールを頂戴した。この場をお借りして感謝のお礼を申し上げたい。今回の記事も、PARCでの講義の続きを簡単にご紹介することにする。これも、やはり従来からブログで主張してきた内容が中心だが、それなら、日本の基本政策をどういう方向に転換させ、現在の危機を克服するかという提言である。どのようなアイディアとイマジネーションで構想を描くかという政策設計のコンセプトを8本の柱に纏めた。(1)消費税増税なき財政再建、(2)規制強化と再分配による内需拡大、(3)所得倍増と高度成長、(4)食糧自給力と工業競争力、(5)二人っ子政策、(6)首都機能移転、(7)東アジア共同体・日米安保破棄、(8)倫理・教育、というマニフェストのカタログになる。私はこの八策を選択し断行するしか国を救う道はなく、日本人が生き延びる方途はないと思うが、現時点でこうした構想が簡単に国民のコンセンサスになるとは思わない。多くの国民の意識は、かくの如きラディカルな改造案とは遠い現状にある。夢想や幻想に映るだろう。だが、一つ言えることは、現時点の菅政権やマスコミが「正論」とする政策路線と私の構想との中間に鳩山マニフェストがあり、小沢一郎の「国民の生活が第一」の政策路線があるという点だろうか。現在の常識からすれば、これは大胆な跳躍であり、現実離れした挑戦である。しかし、いずれ危機が窮まり、かかるラディカルな方向性がリアルな選択肢となる局面が必ず到来するに違いない。

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PARC自由学校での講演要旨 - ポピュリズム批判と「一九八四年」

PARC自由学校講義_1PARCでの講演が、昨日(12/2)無事に終了した。今年のブログで論じてきた中身を全部詰め込んだような話になった。本題のポピュリズム論については、山口二郎の最近の議論を紹介し、その概念把握の混乱を指摘した上で、米国の19世紀末の人民党の歴史に注目するのではなく、一般通念である「人気取りの政治」から認識を出発させるべきだと説明した。そして、むしろ衆愚政治と民主主義の根本的な問題としてポピュリズムを捉える方が理論として有意味であるという説を対置した。山口二郎は、角川新書の『ポピュリズムへの反撃』において、「ポピュリズムにはポピュリズムで反撃を」と言ったり、「ポピュリズムの誘惑に勝つ方法」と言ったり、文脈の上で矛盾した主張を展開している。すなわち、それが価値中立的な道具なのか、克服すべき悪しき政治害毒なのか、読者は判断を迷わされるのであり、前者には米国の人民主義の要素が絡み、後者は一般通念に拠るところとなっている。最後まで明解な結論が下されていない。昨日のPARCでの講演の内容は次のとおりである。(1)湯浅誠批判、(2)2010年の政治の回顧、(3)オーウェルの『一九八四年』、(4)ポピュリズムと民主主義、(5)構想八策と展望。このアジェンダの構成で全体で70分に纏めるつもりだったが、結局、休憩なしの110分の講義になってしまった。聴講者の皆様には不便をおかけして申し訳なく感じている。

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