
民主党の言う「官僚の無駄の削減による財源の捻出」が、具体的にどのような予算内容になるのか、相当に不審に感じるところがある。本当に官僚の無駄の病巣が切除され摘出されればよいが、単に地方の公共事業が削られて、本格的な官製不況が到来する事態になりはしないか。こうした懸念は、選挙で「政権交代」が実現した直後から、複数のエコノミストによっても指摘がされていた。
森永卓郎は、9/3のネット記事の中で、半年から1年の景気悪化を予測し、民主党の現行政策にそれへの目配りがない点を問題視している。
榊原英資は、9/9の都内での講演で、省庁の予算執行停止によって景気の二番底に陥る危険性を警告、国債増発による補正予算で景気悪化を防げと提言している。例えば、具体的には暫定税率の廃止の問題がある。これまで道路建設に回されていた2.5兆円が消えるが、この問題は、昨年の前半の
通常国会で延々と議論され、実際に1か月間の廃止期間を経験した。半年間の長い政争と報道の中で、この道路財源が一部に無駄な支出に浪費されていると同時に、本当に必要な地方の生活道路の整備にも使われている実態をわれわれは知った。地方の公共事業が全て無駄だという観念は、マスコミが都会人に刷り込んだ新自由主義のイデオロギーである。
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特に「予算の無駄の削減」や「地方分権」の問題に焦点を当てながら、民主党政権の経済政策に対する四つの懸念を挙げました。要約すると、?公共事業削減による地方経済の打撃、?暫定税率廃止による地方自治体の税収減の影響、?「国の出先機関廃止」によるナショナル・ミニマムのサービスの破壊、?「国家公務員人件費2割削減」が招来する官製ワーキングプアの拡大、です。
この政権が本当に官僚の無駄遣いをなくすことができるのか、怪しく感じられるのは、財務官僚が政策の主導権を握っていることで、思い出すのは、中川昭一一行がチャーター機を貸し切りで往復した
イタリア漫遊旅行ですね。あのローマG7会議の旅費に財務省は6000万円を使いました。税収不足だと言い、財政再建だと言いながら、一回の会議の出張に6000万円使い、夜はコンパニオン記者と戯れて遊んでいたのです。
藤井裕久は麻生政権の財務官僚幹部をそのまま子分として使っていて、人事を入れ替える気配は全くありません。イタリア大名旅行を満喫してワイン漬けになった連中が、そのまま藤井裕久の下で「補正予算の見直し」やら「来年度予算の編成」の作業に従事しているわけです。何が無駄として削減されるのか、そのあたりから自ずと検討がつく感じがします。結局、公共事業と交付金を減らして、地方経済と地方財政を犠牲にするのでしょう。
「地方をよくする」と言いながら、実際には地方を切り捨てて荒廃に追い込むのが新自由主義のやり方で、その点は自民党も民主党も基本的に同じ思想です。300基礎自治体に再編するという政策方針は、「平成の大合併」程度では手ぬるいから、もっと厳しく地方を干し上げろという考え方ですよね。300基礎自治体に再編するためには、現在の弱小自治体を徹底的に潰して合併させる必要があるわけで、それには兵糧攻めが一番ですよ。藤井裕久と原口一博がそれをやるわけです。